ひとプロジェクト 第58回【後編】緑成会病院 事務長/岡 師明さん

緑成会病院

事務長

岡 師明 さん

Oka Kazuaki

事務長になってわかったその苦労
失敗をバネに、スタッフと一緒により良い病院作りに取り組みます!

緑成会病院の事務長、岡師明さんの後編です。今回は、事務長職のお仕事を中心にお聞きしました。病院運営にとって大切なベッドコントロールへの取り組みや、事務長職のやりがい、今後の展望など、さまざまなお話をお聞きしています。岡さんが反省したという、前任事務長とのエピソードも飛び出す後編、ぜひご覧ください!

  • 地域連携室がニーズを常に察知
    コロナ禍でも入院にはダメージが少なかった

    今現在は緑成会病院の事務長として、主にどういったお仕事に取り組まれていますか。

    各部署のデータ管理や問題の解決がメインですね。例えば直近で言うと訪問診療を立ち上げたんですけど、システムをどういうものにするかとか、中身をどういうふうに作って、誰が担当するか、というところに取り組んでいました。既に運営されているものについても、問題なく運営されているか、数字上のモニタリングをして、下がった時には対応しています。

    そのなかで、日々起こる問題にも対応されていくと。

    先日、新型コロナウイルス感染者が出てしまった際も、収束に向けて対応していました。院内の感染委員会はじめ、スタッフのみんなが対策を徹底してくれたおかげで、広まることなく落ち着きました。

    適切な対応が取れたと言えそうですね。コロナ禍での病院運営へのダメージはいかがですか。

    2020年については、むしろ前年よりもベッド稼働率が上がったんですが、これはもう単純にうちの地域連携室のおかげです。

    どういった対応をされているんですか。

    近隣病院で入院を希望される患者さんがいないか、情報収集を徹底するのはもちろん、院内でも外来やデイケア・デイサービス、訪問部門を利用されている方の中に、入院を希望されている方がいないか、ということも常にチェックしているんです。

    そういったニーズを常にチェックされているんですね。コロナ禍の状況でも、そういった活動を続けたことが、高い稼働率につながっていったと。

    1床空きそうになったとして、入れ替えの都合で1日ぐらいであればしょうがないんですけど、もし2、3日空床になってしまうのに、どうしても埋まらない、っていう時には相談をもらって、入院を希望される方がほかにもいらっしゃらないか、ディスカッションしながら進めています。

事務長になりたての頃に学んだ
積極的なベッドコントロールへの姿勢

そういったベッドコントロールの対応はどうやって学ばれたんですか。

ベッドコントロールについては、やりながら学んだ面もありますし、事務長になりたての頃に、当時いた社会福祉士さんや看護部長の動き方を見て、勉強させてもらいました。今は2人ともグループの別の場所で活躍されているんですけど、その2人が積極的な姿勢で取り組んでいたので、僕も影響を受けました。

どういった面で影響を受けましたか。

急性期病院からの入院相談が無かったとしても、入院したい患者さんはほかのところにいるかもしれない、と考えて動く姿勢ですね。あとは、受け入れるために院内の体制を整えることです。症状の重い患者さんを受け入れる際には特に内部の調整が必要ですから、そこで当時の看護部長が院内の連携役として動かれていました。

内と外と、どちらにも気を配る必要があるわけですね。

ただ、こんなことを僕が言ってますけど、基本はほとんど地域連携室がやってくれるんですね。僕に相談が来ても、いろいろ言っているうちに地域連携室のなかで解決してくれることも多いので、その辺は恵まれてるなって思いますね。

ちなみに、コロナ禍の影響について、入院以外部門への影響はいかがでしたか。

外来とデイケア・デイサービスは、どうしても利用控えがありました。ただ、そういった時も訪問リハビリを利用していただくなど、ご提案を続けています。これも、僕が言うより前にリハビリ部門の方で取り組んでくれて、本当にありがたかったですね。

  • 地域の方の在宅生活を
    幅広くサポートできる病院に

    緑成会病院はこの地域でどんな役割を果たす病院だと思われますか。

    基本的には、リハビリテーションと、在宅部門ですね。地域でには高齢の患者さんが増えていますので、当院の回復期リハビリテーション病棟でしっかりリハビリをして良くなって在宅復帰をされて。さらに、在宅生活で体調に不安があれば、医療療養病棟で、リハビリと治療をしていただくと。家に帰られてからも、訪問リハビリやデイケア・デイサービスでしっかりとサポートして、病院全体で入院も在宅どちらも支えていけたらと思っています。命を助けるような急性期的な部分以外の、医療や介護を担っていきたいです。

    地域の方が、健やかに生活し続けられるようにサポートされると。今後の展望はいかがですか。

    立ち上げたばかりの訪問診療を、しっかり伸ばしていくとともに、連携する訪問ステーション「てとてと小平」についても拡充して、在宅生活を幅広くフォローしていきたいですね。そのうえで、何かあったら病院を利用していただくと。

    訪問診療はまさにこれからというところですか。

    今後はさらに医師も拡充して、重度の方やお看取りについても広げていくのが、フォローしていくのが使命だと思っています。

    岡さん個人として今後の病院運営について思うところはありますか。

    もともとリハビリスタッフだったこともあるので、さらに質の高いリハビリを提供できるようにということは常に考えています。また、病院の展望ともマッチするんですが、僕自身、訪問リハビリなど在宅部門に長く携わっていたので、地域の介護サービスの事業者さんとも関わりがあるんですね。そことの連携も、より力を入れていきたいなと思っています。

    そこはご自身の経験が活かせる部分ですね。

    あとは、在宅の患者さんが増えてくることを見越して、医師をさらに増やして、診療科目に幅を持たせられたらと思っています。呼吸器系や消化器系の医師もいれば、リハビリテーションに強い病院でありながら、診療科目としては総合病院に近くなってくるので。在宅生活に関するあらゆる悩みに対応できるようになっていくのが理想ですね。

前任の事務長への失礼な一言に反省…
今思う、事務長職のやりがい

事務長の仕事については、どんな面白みや、やりがいを感じますか。

病院を良い方向に変えるために、より具体的に何かができる、というのは、今の立場だからこそだと思いますね。例えば体制を強化したいと思った時、ちゃんと理論立った説明ができて、決済が取れれば、スタッフ採用をさせてもらえる。物品についても、根拠がしっかりあれば、購入することができる。それまでは、何かしたくても権限がないことでふつふつと溜まってしまうことがあったんです。それで前任の事務長にも強い言い方をしてしまったことがありましたから…(笑)。

えっ、どういうことがあったんですか。

リハビリ科の係長だった時、前任の事務長と、医療事業部の田村さん(※)が病院で業務の打ち合わせをしてるところに入っていって「なんでここできてないんですか!」って事務長に言ってしまったんです。今思えばすごく失礼な言い方でしたね。実際その場で田村さんに「なんでそんな感じで話を持ってくるの?」って聞かれたので、ひとつひとつ事情を説明したら「だとすると、その言い方はないよね」って冷静に怒られて、僕も「すいませんでした」と(笑)。

(笑)。今なら逆に前任の事務長の気持ちがわかりそうですね。

前任の事務長にも謝りました。でも「やってみないとわかんないよね〜」って言ってくれて、優しかったです。

ありがたい言葉ですね。自分でものちのち同じようなことを体感したんじゃないですか。

そういうこともありましたね。なので、スタッフから「こうしてほしい」という要望があると、「じゃあそれを進めるためには、こういうことを知りたいから、〇〇について調べてください」とか、「こういう書類を作ってください」っていう風に伝えて、決済を取るための提案をお願いしてきました。

なるほど、要望を通すためには、しっかりした根拠や提案の仕方は大事ですね。

その点について、今は部署の役職者がみなさんよく対応してくれるので、僕があれこれ言わなくても回る部分もあるんです。

部門内でうまく回せているんですね。そういった提案の仕方を繰り返し伝えてきたからこそなんでしょうか。

そうだといいですね。でも、そもそも僕が立つ前からみなさんちゃんとやられていたところも大きいです。それと、提案の仕方については、田村さんが親身になって提案書を見てくれるので、僕もそれを受け継いでいるんです。院内で提案書や稟議書が来た時は、なるべく通りやすくなるように、一緒に見ながら話すようにしています。

自分がしてもらったことを、さらに伝えていくと。

自分がそういう仕事の仕方を教わったので、ほかのスタッフにもそうやって伝えていけたらと思っています。僕自身そのことで成長できたし、自分で調べて提案するっていうスキルがつけば、いろんなところで活躍できる人になれると思うので。医療職としてもプラスですし、患者さんにとってもいい影響があるんじゃないかなと思っています。

  • 自粛期間に始まったロードバイク熱
    目指すは大阪!

    お休みの日はどう過ごしていますか。

    コロナ禍になってから、なかなか外出も以前のようにできなくなって。運動不足なんで、何か運動したいなと思って、初めてロードバイクを買ったんです。

    自転車に乗って運動不足を解消しているんですね。

    最近、1日100kmくらいは走れるようになりました。

    かなり長距離ですね! 100kmくらいだとどの辺りまで行けるんですか。

    こないだはディズニーランドまで行きましたよ。それで100km弱くらいですかね。がんばって到着して、敷地の周囲をぐるっと回って帰ってきました(笑)。

    特に中にも入らないんですね(笑)。

    あとは奥多摩湖にも行きました。ただ登りが本当に辛くて、最後の最後のトンネルで挫折して戻ってきました(笑)。

    すごいハマりようですね。

    こういうタイミングなんで、自転車なら出かけやすいかなと思ったんです。誰か一緒にやる人はいないかなと思って知り合いに声をかけてるんですけど、辛そうだから誰もやりたがらなくて、結果1人でいつも行っています(笑)。

    (笑)。何かほかに楽しみはありますか。

    今までは年に一回ぐらい、大学時代のバイト仲間と旅行に行ってましたよ。大体いつも弾丸で、ロングドライブする旅行が多くてですね。

    どんな旅行なんですか。

    1泊2日で四国の観光名所を全部車で巡るとか、山口まで飛行機で行って、そこで車を借りて、各地に寄りながら東京まで帰ってくるとか。

    楽しそうだけど大変そうな旅行ですね。

    ほとんど車に乗ってますからね。しかもどこか立ち寄っても、すぐ移動しないといけないので「もう行かないと」って(笑)。

    (笑)。今後やりたいことはありますか。

    今度は自転車で200kmくらい走りたいですね。ちょっとずつ行ける距離を伸ばしていって、いつか、何日かかけて大阪くらいまで行きたいです。

    それだけ自転車に乗っていたら、健康にも良さそうですね。

    でも自転車に乗った後って、本当にビールがおいしいんですよ(笑)。

前編を読む

profile

緑成会病院 事務長 岡 師明(おか かずあき)

【出身】埼玉県ふじみ野市
【資格】理学療法士
【趣味】ロードバイク
【好きな食べ物】唐揚げ、カレーライス、あんこ、シュークリーム

病院情報

東京都小平市小川西町2丁目35番1号

一般財団法人 多摩緑成会 緑成会病院

内科・循環器内科・整形外科・リハビリテーション科・脳神経外科・脳神経内科回復期リハビリテーション病棟、地域包括ケア病棟、医療療養病棟の3つの病床機能を有し、救急、急性期医療後の患者さんを迅速に受け入れ、入院早期からの積極的な全身管理とリハビリテーションを行い、できるだけ早く自宅や施設に退院していただくことを目標としています。また、在宅療養中や施設入所中の方の状態が悪化した際にも、後方支援病院として迅速に受け入れを行います。退院後も、外来診療のほか、訪問・通所リハビリテーションや施設訪問診療などを通し、一貫した取り組みで地域の患者さんを支えてまいります。