ひとプロジェクト 第25回【後編】博愛記念病院/栄養科 辻 好恵さん

博愛記念病院

栄養科

辻 好恵 さん

Tsuji Yoshie

一緒に問題を解決したい!
調和をベースにして部署の意識改善にチャレンジ!

後編では、管理栄養士の本音と辻さんの信念などをお聞きしています。勤務から数年で、退職しようと考えた、当時の想いや仕事に対する姿勢なども教えていただきました。また、子育てをはじめたことでハマった趣味についてもお聞きしました。

  • みんな悩む?
    管理栄養士定番の壁とは

    管理栄養士さんは厨房のスタッフさんをサポートする業務もありますよね。

    あります。長年調理に携わるパートスタッフさんだと、新人とは親子以上の年齢差になることもあるので、緊張しますよね。

    新人のうちから年上の方に指示や指導をするのは大変ですよね。

    「最初にぶつかる壁」ですかね(笑)。

    (笑)。伝える方法って難しいですよね。

    どうやって伝えようかなって悩んでいるうちにタイミングを逃したり、ストレートに伝えると意図が伝わってなかったり。よく聞きますね(笑)。

    あ〜、光景が目に浮かびます。

    最初は特に。一緒に仕事をしているので、最終目的は同じなのに経過途中で意見がわかれることもあったり。そこでまた、悩んで。

    管理栄養士と厨房スタッフで視点が少し違うんでんすね。

    そうなんですよ。厨房スタッフなりの視点や意見を受けて、気付くことも多いです。

    技術面はどうやって指導されていますか。

    今は、栄養部のなかに「調理業務支援課」という部門があるので、そこが中心となって技術と教育面の業務改善に取り組んでいます。

    辻さんだったら、こういう壁はどうやって越えますか。

    私は、立場や年齢よりも、一緒に問題を解決できるように協力してほしいと伝えています。限られた時間で大量調理を毎日仕上げるスタッフさんには本当に感謝しています。そのうえで、グループや病院として必要な業務をどう取り組んでいくか一緒に考えていくようにしています。

    チームで仕事をしているわけですもんね。

    そうですね。博愛記念病院みたいに大きい病院だと、管理栄養士の人数がいるので、先輩と後輩の助け合いができるんですが、小さい病院だと、部署に管理栄養士が1人しかいないということもあるので、そんなときは、グループの強みを使ってほかの施設にいる同期や調理業務支援課と栄養業務支援課を頼ってほしいですね。

    辻さん自身は、新人の時に苦労されたことはありましたか。

    もちろん、同じように悩んだこともありました。私は、調理師や栄養士も含めて同期が9人いたので、同期からいろんな意見を聞くことができて、恵まれていましたね。

病院の仕事だけじゃない!
活躍できるフィールドがいっぱい。

今、担当されている業務も教えていただけますか。

管理職になってからは、厨房のサポート業務を少し減らしてもらって、栄養科が参加する院内の会議や病棟の担当、栄養部での活動が主になってきました。

病棟ではどんな仕事をされているのですか。

入院患者さんの栄養管理がメイン業務になります。栄養がきちんと足りているのかを把握することからはじまります。あとは、言語聴覚士さんや病棟の看護師さんと一緒に、食の形態や調理工夫を検討したり、患者さんの情報を共有するためのカンファレンスにも参加しています。

多方面で活動されているんですね。

もっと活躍されている方はたくさんいますよ。グループの学会発表や研究など研鑽されているスタッフは多いですよ。そういうチャレンジができる環境って魅力だなと思っています。でも実は私、辞めようって思ったことがあったんです。

えー!!

こっそりよそへ面接に行ったこともあったんですよ。でも、辞めてないですけど(笑)。

  • 辞めるタイミングを考えていたら、
    辞める時期が今じゃなかった?!

    そんな時期があったんですね。

    ありましたね。同じ職業の友だちに会うと、企業で商品開発をする話を聞いて羨ましく思えたり、病院勤務を続けるにしても、規模が違うと仕事の幅も全然違って見えたりして。いいなぁ〜って(笑)。

    あ〜(笑)。

    ガラッと気持ちを変えてみたいときがあるじゃないですか(笑)。でも、辞めたい理由が定まらなかったから、辞めることを止めました。

    辞めたい理由が定まらないって発想もすごいですね。

    何かに嫌になって辞めちゃうと新しいところでも、同じように嫌なことがあるたびに辞めそうな気がして。

    だから、退職はしなかったと。

    辞めるなら、ここで絶対できないことを理由にしたほうがいいな、と思えて。なんとなく嫌なことは、改善できる可能性もあるじゃないですか。いろいろと新しいこともさせていただけるチャンスもあるので、「ここじゃできない」っていう理由もなかったんですね。ここのグループの方が魅力があると思いました。

    新しい取り組みをされているんですか。

    私は、「栄養業務支援課」に所属しているので、各部門で問題になっているものを支援しつつ、サバイバルフーズに関する取り組みに注力しています。地震を想定した災害だけじゃなく、停電になって調理ができないときにも使える手順書などもグループで共有できる仕組みを作成中です。

    災害への備え、必要ですよね。

    そうですね。ちょうど去年、関西方面は西日本豪雨の被害があって。どんなときでも患者さんへ食事を提供できるように、力を注いでいきたいですね。あとは、こういった情報を共有するためにも、グループ内の研修制度も増やしていきたいと思っています。あ、でも私の勝手で増やせるものじゃないんですけど(笑)。

    (笑)。後輩さんたちを育てたい気持ち、すてきですよ。

    機会がないと吸収できないこともあるので、積極的にさまざまな研修に参加できたらと思っています。また、得たことは活用してほしいですし、自分たちが発信することも行ってもらいたいと思っています。グループ内の学会で発表することも、自分の好きな分野とか興味があることをアピールするチャンスですからね。

子育てをはじめて趣味が激変
影響を受けているとある番組とは

プライベートなこともお聞きしたいのですが。まずは、お休みの過ごし方を教えてください!

ちょっと前までは、登山に出かけたり、マラソンをしていた時期もあったんですが、飽きちゃって。今は、子育ての合間に録り溜めたテレビ番組を一気に見るぐらいです。

(笑)。お好きな番組があるんですか。

「ガイアの夜明け」とか「カンブリア宮殿」みたいな経済ドキュメンタリー番組が好きです。商品を作った人が熱く語る姿を見ていると、その商品を買いたくなるんです(笑)。

感化されてますね(笑)。

「こんなに苦労して作った商品だったなんて…よし、買おう!」って(笑)。戦略に思いっきりハマってますね。でも、現場で奮闘する人たちの様子に感動しちゃうんですよね〜(笑)。

購買意欲が高まっちゃうんですね(笑)。

影響を受けやすいみたいです。私が子育てに必死なので、同じように何かを懸命にがんばっている人に共感しやすい時期なんですかね〜。子育てしてからハマりました。

お子さんは、おいくつですか。

2歳です。まだまだ手がかかる時期で、目が離せないです。院内に先輩ママがたくさんいて、「大変な時期やね〜」って声をかけてもらえるだけでうれしくて、がんばれます。

心強い味方がたくさんいるんですね。

そうなんです。結構、小さい子どもを持つスタッフさんも多いですし、子育て経験があるスタッフさん率が高いですよ。逆に「平等」について考えさせられることもあって。

ライフステージが変わらなくても
「平等に」風通しを良くしたい

その「平等」は、どういったことですか。

支えた側の人にも平等に支えられる機会が巡ってくる、風通しのいい職場だったらいいなって。例えば、保育園を使いはじめると、急な勤務変更って想像以上に多く出てしまうんですけど、突然抜けたところでも誰かが支えてくれていて。その人には、別のところで誰かに支えてもらう機会をつくりたいんですよね。お願いばかりするのも、されるのも嫌じゃないですか。

そうですね、立場が違えばそう思うかもしれません。

昔と比べると、女性が長く勤務できる環境になりましたよね。結婚や妊娠だけを理由に辞める人も減ったと思うんです。妊娠しても「戻っておいで」って言ってもらえる職場は、すごくありがたいです。でも、同じように、出産や子育てをしていない人にも働きやすいといいなと思っています。こういう言い方は変かもしれないですけど、子育てしている人だけが優遇されていいのかな、って気持ちも芽生えて。いろんな人がいる部署だからこそ、居心地を良くしてずっと一緒に働いていきたいです。

多様な取り組みを検討されているんですね。

今からですけどね。管理栄養士は若いスタッフも多いですし、私自身も、育休明けに戻ってきたときに、本当に助けられました。今度は、私が「みんな平等に感じる環境」をつくっていけたらと思っています。

お任せで味わいたい!
カウンター越しの海の幸

では、最後に好きな食べ物をみなさんにお聞きしています。辻さんのお好きな食べ物は何ですか。

あまり好き嫌いがなくて、何でも美味しく食べるほうなんですが…今、行けるなら、お寿司か和食ですね。

にぎり寿司派ですか。

そうですね。瀬戸内海は魚が美味しいのでおすすめですよ。今の季節だと、鱧とか。出汁を取ると最高です!

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profile

博愛記念病院/栄養科 係長 辻 好恵

【出身】徳島県
【職種】管理栄養士
【好きな食べ物】お寿司(ネタはおまかせ派)
【好きな栄養素】アルギニン(一時期ハマりました)

病院情報

徳島県徳島市勝占町惣田9

医療法人平成博愛会
博愛記念病院

内科、呼吸器内科、消化器内科、循環器内科、リハビリテーション科、放射線科開設当初から“患者本位”のサービスを目指して、療養環境向上に向けたあらゆる取り組みを展開しています。急性期から慢性期まで幅広く対応しながら、最先端のロボット機器を導入したリハビリテーションに力を入れる病院です。