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ケアマネジャーを経て、介護施設立ち上げに携わる グループ施設を支える縁の下の力持ち!/介護福祉事業部 関東エリア担当/川口 勉さん

介護福祉事業部2018.08.24
介護福祉事業部

ケアマネジャーを経て、介護施設立ち上げに携わる グループ施設を支える縁の下の力持ち!

介護福祉事業部で関東エリアの介護施設立ち上げに携わる、川口勉さん。
兵庫県の施設でケアマネジャーとして働いていた川口さんは、ある日、新施設の立ち上げスタッフに任命されます。施設の開設という大きな仕事をサポートすることになった経緯や、そのやりがい、ご苦労とは…! 川口さんの誠実な人柄が感じられるインタビューとなりました。意外な経歴も含めてお楽しみください。

スポーツジムのお客さんとの会話が介護の道へのきっかけ?!

現在はグループの関東エリアの施設立ち上げに携わられているとのことですが、もともとは施設で働かれていたんですよね。

兵庫県の介護老人福祉施設ヴィラ播磨でケアマネジャー・副施設長をしていました。

今はずっと関東にいらっしゃるんですか。

基本的に平日は関東の施設にいて、週末の休日で自宅のある兵庫に帰るという生活ですね。今は2019年の3月にオープン予定のケアホーム花畑(東京都足立区)の立ち上げ支援がメインです。

もともと関西のご出身ですか。

そうです、兵庫県の加古川市というところです。ヴィラ播磨も加古川ですね。

地元の施設で働かれていたんですね。ちなみに小さいときはどんなお子さんでしたか。

小さいときは「落ち着きがない」ってよく言われてました(笑)。とにかく体を動かすのが好きだったんですよね。だから小学生の頃から陸上やバスケットボールをやっていて。バスケは社会人になって20代後半ぐらいまで、ずっとやっていました。

ずいぶん長く続けられていたんですね。介護のお仕事はどのような経緯で始められたんですか。

実は、その前にジムのインストラクターとして働いていたんです。

ジムからの転職は意外でした! もともと目指されていたんですか。

学生の当時は自分がスーツを着て仕事をすることが想像つかなくて(笑)。それと、ずっと運動に打ち込んできたので、そういった道で仕事ができたらと思って、広島のスポーツインストラクターの専門学校に行ったんです。

地元でなくて広島だったんですね。

そのときはとにかく家を出たかったので(笑)。卒業後は就職氷河期で大変だったんですが、知り合いが加古川市の運営するスポーツセンターのジムを紹介してくださって、嘱託で契約させてもらうことができました。

そこから介護職にはどのようにたどり着いたのですか。

ジムのお客さんが割と年齢層が高い方中心で、みなさんの会話の中で「うちの親はあそこの施設にいる」「今日はお母さんがデイサービスに行ってるの」と、介護にまつわる話が多かったんです。そこで「こういう仕事もあるんだな」っていうことを認識していって。

なるほど、お客さんとの会話がきっかけで。

はい、もともと人と接する仕事がしたいというのがありましたし、介護需要も高まっている時期でした。インストラクターも嘱託契約だったので、今後生活をしていくうえで正職員として働ける仕事を、と考えて転身することにしたんです。

わからないことだらけ!
でも必死に取り組んだ施設立ち上げ

今のような立ち上げの仕事に携わられたのはどういう経緯でしたか。

ヴィラ播磨を運営する兵庫福祉会がケアホーム千鳥を2018年の4月に開設すると決まってから、同法人のヴィラ桜ヶ丘(神奈川県横浜市)で副施設長を務めていた宮内くんが施設長を担当することになって、それをサポートするスタッフが必要だということで、関東に来ることになりました。そこから介護福祉事業部の前川部長よりご指示があり、6月に開設したケアホーム船橋(千葉県船橋市)とケアホーム花畑の施設立ち上げにも関わっています。

実際にどういった業務を行われたのでしょうか。

メインで立たれる施設長を裏方としてサポートするイメージです。例えば書類を作成したり物品を整えたり、一緒に面接をしたり、っていうところですね。

今までのお仕事とはかなり違いがあったと思うんですが、いかがでしたか。

事務的なことや調整役のような仕事は、介護現場ではそこまで無かったので、やっぱり全然違いましたね〜。

そうなると、大変なことも多そうですね。

正直わからないことだらけで(笑)。本当にいろんな方々に助けていただきましたし、ご指導いただきました。毎日が勉強という感じでしたけど、日々いい経験をさせてもらっているなと思いました。もういつも宮内くんと2人で相談していましたね(笑)。

相談相手がいたことは大きそうですね。

とても心強かったです。自転車に乗って、2人で大田区の営業回りをワーッと行ったこともありましたね。日に焼けました(笑)。最近も花畑での営業日焼けができています(腕を見せてくれる)。

足で稼ぐというか、本当に一軒一軒自転車で回られて。

そうですね、もう地道に。東京は車で回ろうとすると逆に大変なんで。

兵庫県民の川口さんからしたら、全く土地勘のないところですよね。

もう、ケータイの地図アプリだけが頼りで(笑)。

「あ、こっちだ!」みたいな感じですか(笑)。

はい、ナビに遊ばれながら(笑)。チラシやパンフレットを持って、1日に何十件と区内の病院や居宅介護支援事業所などにお伺いして「こういう施設ができます」と周知をさせていただいて。幸いにも多くの反応をいただくことができました。

大変な思いはありながらも、その分、施設が立ち上がったときの喜びも大きそうです。

すごく充実した気持ちになります。職員さんが一斉に介した竣工式や、利用者さんの受け入れをしたときは、本当に「始まったな」っていう感慨が湧いてきましたね。

地域に根ざした温かい施設を

初めて立ち上げに携わったケアホーム千鳥の、施設としてのポイントを教えてください。

少人数で生活するユニット型の施設らしく、例えばおひとりずつ利用者さんとお話しながらご飯をよそって、食事を取るというような、家庭のような雰囲気を味わえるところだと思います。

そういったユニットの良さが出ているわけですね。

スタッフと利用者さんの距離が近いですね。例えばユニットの中にあるお風呂も、マンツーマンでゆっくりと過ごしていただきながら、入浴ができるようになっています。

いかにも「施設っぽい」といった感じの雰囲気にしないような工夫と言いますか。

そうですね。床や壁の色も、すごく考えられた暖かい雰囲気で、落ち着ける空間が提供できているんじゃないかと思います。外観もきれいですし、この良さがずっと維持できるようにしないといけないなと思っています(笑)。

ケアホーム千鳥はイベントが活発ですよね。今日もちょうど、託児所と地域の保育園のお子さんを呼んで、バルーンアートのイベントをやっていて楽しそうでした!

地域交流スペースがあるので、地域の方々に使用していただいています。今日のバルーンアートはスタッフがやってくれたんですが、今後、地域の方と利用者さんと交流できるような取り組みが、どんどん活発になっていけばと思っています。

それがやっぱり地域における施設としての役割と言いますか。

そうです! 地域に根ざして、近隣の方にも気軽に来ていただける施設というのはとてもいいですよね。その後に開設に携わったケアホーム船橋にも地域交流スペースがありますし、そういったグループ施設も今後増えていくと思います。

介護現場からのステップアップも グループの強みとは

いろいろグループの施設を見られたかと思うんですが、働く環境についてどう思われますか。

特に最近建っている施設だと託児所がついていることは大きいですよね。

このケアホーム千鳥にもありますし、働きやすさに直結しますね。

駅までの送迎バスが出ている施設が多いのもいいと思います。特に関東圏は電車中心の社会というところもあると思いますし、充実していると便利ですよね。

ほかにはどんなことがありますか。

研修がとても充実しています。例えば介護だけで言いますと、初級・中級・上級っていう形で、その人のベースに合わせた研修がありますので、スキルアップにつなげられます。それと、いろんな施設の人たちと研修などで情報共有を図れるのはいいですね。そこで知識を得ることもあって、相乗効果が生まれているんじゃないかと思います。

キャリアステップについてはいかがですか。

いろんな道が開けているのが特長です。例えば施設長にステップアップを望む方にも、現場から上がっていく道がしっかりあります。30代で施設長になっている方もいて、とてもいいことだなと思います。僕のイメージとしては「特養の施設長=おじさん」っていうのがあったので(笑)。

キャリアを重ねた方がなられることが多いということですよね(笑)。 川口さんのように、施設のケアマネジャーから施設立ち上げに携わるキャリアもありますしね。

このようなキャリアステップは、各地に施設があるうちのグループならではと言えるかもしれません。現場だけでなく、広い視点で介護に関わっていける道があるのはいいことですし、そういった道に進まれる方も今後もっと増えてほしいです!

利用者さんと濃密な時間を過ごすからこそ感じる幸せ

川口さんが考える介護職のやりがいを教えてください。

利用者さんの笑顔が本当に素敵なんです! あの笑顔とか、言葉ひとついただけただけで、「がんばって良かった」と思えるんですよ。

それは元気づけられますね。

そういったことができない方も多いので、何か反応があるだけでも嬉しいです。入所されている方だと24時間365日、施設にいらっしゃるので、我々がご家族より長く一緒にいるケースも多いわけです。利用者さんと密に接するからこそ、そういったところで幸せを感じられるんだと思います。

濃密に時間を共有するというか。

だから利用者さんがお亡くなりになったときに、それまでの対応を振り返るんですけど、「これで良かった」と思えることが少ないです。「こうしてあげればもっと良かったんじゃないか」っていう、心残りが先立ちますね。

それはご家族からそういったお話があったわけではなく、ご自身の中で。

そうです。それがあるから今後につながるというか、もっと良い仕事をしよう、と思えるわけです。ずっと関わらせていただいていると、お仕事とはいえ、亡くなられたときにご家族と同じくらい泣いてしまうこともありましたね…。この世界に入っても、人の死に完全に慣れることはないんだなと思いました。

お仕事するなかで、どうしても直面することではありますよね。

僕たちが感じる1年と、ご入居される80代、90代の利用者さんが感じる1年は、重みが全然違うんだろうと思いますね。だからこそ、単純に1日を過ごすだけじゃなくて、その人にとってその日その日がいい1日であったらいいなって、思うんですよね……。偽善的に聞こえてしまうかもしれないんですけど。

いえいえ、側にいる方だからこその率直なお気持ちかと思います。

だから季節行事ってすごくやっぱり大事だと思うんです。日本の四季ってすごく豊かですし、春になれば桜が咲き、秋には紅葉が見られますから。

楽しみにされてる風物詩がみなさんありますからね。

そうなんです。なので、全員を必ずお連れできるわけではないんですけど、花見の行事なんかは絶対にしています。ただ、最近はみんな食の方に走りがちで(笑)。

そうなんですか(笑)。

もちろん桜も見ていらっしゃいますけど、お花見に行くと屋台が出てますからね(笑)。それでも楽しんでもらえたら何よりです。

スタッフみんなであげたお葬式

いろんな方と接してこられたと思うのですが、特に印象深いエピソードはありますか。

以前入所されていた利用者さんなんですが、黄色いニット帽を一年中かぶっているおじいさんで、すごく冗談が好きな明るい方でした。お元気な頃は認知症もそんなになく意思疎通もできていたんですが、長い期間入られているうちに、身寄りの方が先に亡くなられてしまって。

入所中にお一人になられてしまったんですね。

そのうち状態が悪くなられて、協力病院に入院された後、お亡くなりになってしまいました。後見人もいらっしゃらなかったので、施設として対応することになって。できる限りのことを施設としてやってあげられないかと考えて、施設の職員で葬儀を行うことにしたんです。葬儀屋を手配して、施設の職員と一緒にその利用者さんが眠られている場所にお迎えに行ったんですが、僕がもう号泣してしまって…(苦笑)。

関係性が深かったからこそですね。

家族葬という形で葬儀をあげたんですが、その施設で関わったスタッフみんな、介護スタッフをはじめ、施設長、部長、居宅のスタッフや事務所の方も、部署を超えて、最後のお別れをしに来てくれました。

ではみなさんに見送られて。

ええ。ご飯を食べるのが好きな方だったので、ご飯をお供えして、家族葬用のお部屋でみんなで一緒に食事をしたんです。翌日には火葬場へ行き、お骨を拾って永代供養できるところに納骨を行うまでをさせていただきました。こういうケースでしたし、後にも先にも、ここまでさせていただいたのはこの方だけでしたね。

ここまでのことはそう無いかもしれませんが、やはり、このお仕事はそこまで深く関わっていく気持ちが必要ということでしょうか。

気持ちが無いといけないというか、あった方がいいと言うべきか…。でも、やっぱり人と深く接するので簡単に割り切れる仕事ではない、という風には思いますね。

この場合も、仕事として線を引けば、そこまでのことをする必要もないという意見もあり得るわけですよね。

そうですね。もしかしたらご批判をいただくかもしれない。でも、利用者さんと長く接したみんなで導いた結論だったので、何と言われても、その方にとっては良かったんじゃないのかなって、この一件に関しては、今も思います。

やっぱりその場で接した方の想いというのはありますからね。

だからこそ、いろんな方々が笑顔になれて、その方らしく過ごせる、「ここに来て良かった」と思える施設でありたい、と思って仕事をしていますね。

現在は施設づくりのサポート的な立場ですけれど、そういった気持ちを持って。

はい、施設の立ち上げについても、その想いを胸に、お手伝いさせていただいています。

「熱い想い」は持ち続けてほしい

介護職を目指す方に向けてのアドバイスはありますか。

介護に携わろうとされる方は、もちろん熱い想いや志を持ってこの世界に入られることが多いと思います。それは当然素晴らしいことなのですが、いざ現場に立つと、理想と現実のギャップに、想いが冷めていってしまう方がいるのも事実です。

気持ちだけでは通じない部分もありそうですね。

ただ、その想いがとっても大事なので、そのとき抱いた熱い想いは、5年後でも10年後でも、持ち続けていただきたいです。むしろそれがないと続かないと思います。

原動力のようなものでしょうか。

そうですね、続けていくには絶対必要です。

お子さん、猫ちゃんたちに癒される日々…

お休みの日のリフレッシュ方法は何かありますか。

う〜ん、強いて言えば昼ごはんを作るのが自分の楽しみというか、料理を作るのが好きなんです。最近は兵庫の家に帰ったら日曜のお昼は僕が作っています。

いいですね! ちなみにどんなものを作られますか。

子供が好きなのでパスタとか。こないだは暑かったので冷製パスタを作りました。

けっこう手が込んでますね。

はい、それがいい息抜きになっていますね。それを家族と一緒に食べるのもいいです。

川口さんがご自宅に帰ったら、お子さんも喜ぶんじゃないですか。

ええ、女の子2人なんですけど、ただ上の子は中学生なんで、喋ってくれますし相手もしてくれますけど、やっぱり時期的に、少しだけ距離を感じますね(笑)。

中学生くらいだと仕方ないかもしれないですね。

でも下の小学5年生の子はまだ来てくれています! この前帰ったときも、お昼ご飯を作って食べた後、近くにひまわりが素敵な公園があって、一緒に自転車でお出かけして、ひまわりを見て写真を撮って帰ってきました。

ああ、素敵な休日ですね〜。ちなみに個人的な目標はありますか。

レシピをもっと覚えたいなと思いますね(笑)。こないだ、ふと「パエリア作りたいな」って思いましたね。

それは作れたらかっこいいです! ほかに何かリフレッシュになることはありますか。

兵庫の自宅にいる2匹の猫です。めっちゃかわいいです!

いいですね〜。ちなみに品種はありますか、もしくは雑種?

品種はまったくもって無いです、雑種です(笑)。1匹はもらって、1匹は保護しました。これがそうですね(写真を見せてくれる)。左が「きなこ」で右が「みけ」です。

あ、かわいい! 家に帰ってご家族も猫ちゃんもいて、癒されますね。

そうですね〜!

プロフィール

介護福祉事業部 関東エリア担当

介護福祉事業部 関東エリア担当

川口 勉

かわぐち つとむ

【出身】兵庫県加古川市
【職種】ケアマネジャー
【趣味】料理(パスタが得意)
【好きな食べ物】ビール、焼き鳥(特にハツ、キモ)
【好きな季節】春(桜が好き)