平成医療福祉グループが発起人として参加する「ケアする病院ネットワーク」の「第1回立ち上げ記念研究会」が開催されました。

2025年2月7日(金)、AP浜松町(東京都港区)で開催された「ケアする病院ネットワーク 第1回立ち上げ記念研究会」に、平成医療福祉グループが発起人として参加しました。「ケアする病院ネットワーク」に連携する医療機関と共に登壇し、具体的な取り組み内容や今後の展望について発表しました。
「ケアする病院ネットワーク」について
大誠会 内田病院 田中 志子理事長が代表となり、医療における患者さん中心のケアの実現を目的に、身体拘束ゼロを目指して実践する全国10施設(※)の医療機関と共に立ち上げた研究会です。治療とケアの調和は、患者さんの満足度向上だけでなく、医療従事者の職業的充実感や成長にもつながる、重要な課題です。「ケアする病院ネットワーク」は、志を共にする仲間を増やしながら、身体拘束をなくす取り組みを通じて、患者さんの人権・尊厳を守る医療の実現を目指します。

※ケアするネットワーク発起人(順不同)
新成医会 みどり病院、大誠会 内田病院、富家会 富家病院、群馬大学 山口 晴保名誉教授、平成医療福祉グループ、元気会 横浜病院、慶友会 城東病院、南山会 峡西病院、三井会 神代病院、中津第一病院
平成医療福祉グループから「大内病院」の実践事例を発表
会場では、発起人紹介が行われ、各機関が取り組みを説明しました。当グループの代表・武久 敬洋は発起人紹介の挨拶で、「ケアの本質は『自分らしく生きることを支える営み』であり、身体拘束はその考えと逆行する」と述べました。
4施設による身体拘束をなくすための具体的な事例紹介では、当グループからは「大内病院」(東京都足立区)の事例を挙げ、武久が「精神病院でも身体拘束ゼロになる 大内病院の挑戦」と題し、身体拘束ゼロを実現した具体的プロセスについて報告しました。

築約70年の大内病院は、老朽化の問題を持ち、さらに病棟構造が身体拘束ゼロの実現を妨げていたため、医療環境の抜本的な改善を図って、2024年7月に建物をリニューアルオープンしました。同時に、より良い精神医療を目指すためにスタッフの意識改革を推進し、環境整備と人員配置の見直し・増加も実施。夜間の見守り体制の強化、転倒防止対策としてセンサーの設置や、スタッフの配置を工夫・改善するなどしながら、今回は、患者さんの安全を最優先する目的で、トップダウンのスピード感を生かし、2024年7月3日には身体拘束ゼロを実現させました。
武久は、大内病院のコンセプトは「患者さんが地域で自分らしい生活を送る、自分の居場所で安心して暮らす、それをサポートすること」と述べ、そのために自分の暮らしに戻るための入院医療と生き心地のよい地域作りの2軸で運営を行っていることも説明。患者さんが退院後も安心して生活できる環境整備や支援を行う取り組みも進め、社会復帰の促進を目指している旨も述べました。
大内病院公式サイト


そのほか、「ケアする病院ネットワーク」結成のきっかけを作った厚生労働省 医政局 医療課 課長 林 修一郎氏による特別記念講演もあり、最後は厚生労働省 大臣官房 厚生科学課長 眞鍋 馨氏による第1回研究会総括が述べられ、本会が締めくくられました。

平成医療福祉グループは、今後も連携する医療機関のみなさまと共に取り組みを進め、患者さんをはじめ、誰もが、どんな時も、自分らしく生きられる社会の実現を目指します。