医療にも福祉を、福祉にも医療を
医療の世界では医療の力を過信するあまり、医療的解決以外の手法を用いようとしないという問題があります。その一方で福祉の世界では自分たちだけでは医療を行うことができないという制約があるからか、医療を用いない解決法、いわゆる福祉的解決法のみを用いて問題を解決しようとするという問題があります。
例えば膝に痛みを抱える高齢者の場合、病院では注射をしたり薬を出したり、場合によっては手術を行うことになります。福祉の場合は福祉用具を使用して何とか歩けるようにしたり、訪問介護やデイサービスを利用したり、ご家族のかかわり方をアドバイスしたり、場合によってはただ話を聞き寄り添うだけでもいいでしょう。痛みを抱える患者さんは環境を整え安心するだけでも痛みが軽くなることがあります。それが福祉の力です。
本来は医療と福祉両方の対応を同時にバランスよく行うことが理想の問題解決法だと思いますがそれを実現できていることは稀でしょう。
当グループの医師をはじめとする医療スタッフはみな福祉的なアプローチを学び診療に取り入れる努力をしています。福祉サービスを提供しているスタッフは医療の知識を得たり医療スタッフとの連携を強化することで福祉だけに偏らず適切なタイミングで医療サービスを受けられるように努力しています。
私たちは医療と福祉は切り離すことができない同等の価値があるものであると考えています。平成医療福祉グループという名前にもその思いが込められています。