第12回 献立・調理コンクールを開催「ヴィラ播磨」「ココロネ板橋」「ケアホーム船橋」が1位を獲得しました!
平成医療福祉グループは第12回目の「献立・調理コンクール」を開催しました。2023年10月17日(火)に「ふたば学舎(兵庫県神戸市)」にて関西・中四国エリアの決勝、同年10月27日(金)に「府中市市民活動センタープラッツ(東京都府中市)」にて関東エリアの決勝を実施し、関西・中四国エリアはヴィラ播磨(介護老人福祉施設・兵庫県加古川市)が1位、関東エリアはココロネ板橋(障がい者支援施設・東京都板橋区)とケアホーム船橋(介護老人福祉施設・千葉県船橋市)が同率1位となりました。
今年のテーマは「大満足の魚料理:魚が主役の献立」
魚をよりおいしく食べてもらうことを目指す
当グループでは、グループの献立・調理の質向上を目的に、各病院・施設の代表者2名(管理栄養士〔または栄養士〕・調理師〔または調理補助〕)が、テーマに沿ってオリジナルの献立で腕を競う「献立・調理コンクール」を毎年開催しています。
今年のテーマは、グループの各病院・施設で比較的食べ残しが多く、人気が低い魚料理を、献立の工夫で盛り上げて残食を減らしたい、という思いが込められています。
テーマをもとに、全国のグループ病院・施設が各々独自で献立を考え、まずは書類審査による予選を実施。関西・中四国と関東のそれぞれの上位5施設(計10施設)が、エリアごとの1位を決める決勝に進みました。
決勝は、関西・関東の各会場で開催され、全組が同時にその場で、審査員を目の前にして調理を実施します。
審査は、各料理の味はもちろんのこと、見た目(盛りつけ)の良さや、調理工程における手際、さらに試食前のプレゼンテーションなども含めて評価が行われます。
なお、両会場で2位までに入賞した献立は、グループ内で実際の献立として採用され、全国のグループ病院・施設での食事として提供されます。そのため、現場での大量調理が可能となるか、食材の調達が容易であるか、という観点も審査に含まれます。
関西・中四国エリアではヴィラ播磨
関東エリアではココロネ板橋・ケアホーム船橋が同率で1位に輝く
審査の結果、関西・中四国エリアではヴィラ播磨が1位を獲得。「旬の野菜と食べる 魚満喫御膳」と題した献立を考案し、魚の卵から加工品、あらまでを使用した、魚料理が十分に堪能できる内容で高評価を受けました。
ヴィラ播磨の管理栄養士の村上さんは、「利用者さんに喜んで食べていただける献立を目指しました」とプレゼンテーションで趣旨を説明。普段のミールラウンド(※)で利用者さんたちの食の傾向を確認するなかで、「魚が苦手でもブリは好き」という方が多いことを知り、メインディッシュをブリに決めたとのことです。
受賞後、村上さんは「コンクールだからといって特別な献立を考えるのではなく、普段の利用者さんたちの様子から『どのような食事ならより食べやすいのか、おいしく感じるのか』という視点から献立を考えました」と話しました。多くの人に喜んでもらえる献立作りには、利用者さんや他職種スタッフの意見や感想を「日々、聴くこと」が何より大事だと実感しているそうです。
また、調理師の石原さんは、こうした大きな大会で力を発揮できたポイントを「シンプルな献立で、日々の業務と変わらない調理内容だったので、普段通りに作れました。職場での仕事の姿勢をありのままにお伝えできたと思います」とコメントしました。
※ 管理栄養士を中心としたスタッフが、食事中の患者さん・利用者さんの元を訪れ、食の進み具合や好みを伺ったり、必要な栄養が摂れているかなどを確認したりすること。
関東エリアでは、審査が拮抗したために、ココロネ板橋とケアホーム船橋が同率で1位に輝く結果となりました。
ココロネ板橋は、メインディッシュに幅広い年代から人気が高いマグロを採用しました。さらに、気軽に旅行することが困難な利用者さんにも、食事で旅気分を味わってもらうことをコンセプトに、ハワイ旅行をイメージした「ハワイアンランチ」を提案。見た目も味わいも楽しめる内容とともに、ハワイの雰囲気を演出したプレゼンテーションでも、会場を盛り上げました。プレゼンテーションに使う資料作りには利用者さんが参加し、絵を描いてもらったり、児童の利用者さんの足型や手型を取って絵の一部に貼付したりと、ユニークな取り組みがあったことも伝えられました。
受賞後、ココロネ板橋の管理栄養士の片柳さんは、「試作品を、施設のさまざまなスタッフに食べてもらい、意見をいただきました。利用者さんにも資料作りに加わっていただき、まさに施設一丸となって挑んだコンクールになりました」と感想を述べました。
調理師の大谷さんも「スタッフも利用者さんにも『がんばってください』と声をかけられました。『利用者さんたちが少しでも楽しい気持ちで食べられたら』という想いで考えた献立を、会場で楽しんで作ることができて、良かったです」と笑顔で話しました。
ケアホーム船橋は、「贅沢✧魚づくし御膳✧」と題した献立を考案し、グループ内の食事であまり使われることがないハモを使った料理を披露しました。ハモの高級感を引き立たせるため、メニューはすべて料亭で供されるような内容で統一。プレゼンテーションでも料亭の雰囲気を演出し、好評を得ました。
また、スタッフと利用者さんに「食べたい魚」のアンケートを取り、ハモ以外にもサケを使うことを決めたとのこと。管理栄養士の石井さんは、当初さまざまな小鉢料理を考えていたそうで、受賞後に「このメニューに落ち着くまで、栄養価を考慮しながら何度も味つけを変えて試作を重ねました」と話しました。試作には、施設内の多くの職員が協力してくれたそうで、調理師の大澤さんは次のように感想を述べました。「調理場に限らず、部署を超えた連携が普段からできています。こうした関係性が、おいしい料理作りにつながっているのだと、改めて実感しました」。
〈審査員の声〉
例年通り、各部署から多職種の職員が複数人、審査員として参加しました。審査結果発表後の講評の総括では、「コンクールを重ねるごとに、どの出場者の料理も、おいしくて見た目も美しいのがあたりまえ、というレベルになっています。そのようななかで、香りや食感などで、より食欲を引き出す工夫がなされているかどうかが、審査のポイントになりました」と述べられました。
また、「患者さんの体の回復や利用者さんの日々の生きがい」として、食事がいかに重要であるかについても伝えられ、グループとして今後もしっかり、栄養に力を入れていく旨が述べられました。
2023年 献立・調理コンクール 結果
各エリアにおける結果は、以下の通りです。両会場で2位までに入賞した献立が、実際に食事としてグループ病院・施設で提供されます。
【関西・中四国エリア】
1位 ヴィラ播磨(兵庫県加古川市) 「旬の野菜と食べる 魚満喫御膳」
〈献立ポイント〉
利用者さんの普段の何気ない意見から「魚嫌いでもブリは好き」「ソフト食でも『サケ』が食べたい」「コロッケがもっと食べたい」などの要望をくみ取って献立に反映。メインディッシュにはブリを使い、ブリに合う冬の食材を使用しました。ソフト食でもあまり内容が変わらないように心がけ、どのような方にも食べやすく喜んでいただける献立としました。
2位 博愛記念病院(徳島県徳島市) 「食欲モリモリ! 夏のサバキーマカレーランチ」
〈献立ポイント〉
夏バテ予防を独自のテーマに掲げ、疲労回復と食欲増進を意識した献立に。疲労回復に欠かせないタンパク質やビタミンB群が豊富なサバを使い、食欲増進効果・健胃作用のあるスパイスを取り入れました。また、患者さんが食べやすくなるように調味料の配合を工夫して、スパイスの辛味があまり立たないように調整。全メニュー大量調理しやすいものを選んだ点もポイントです。
3位 レジデント木津(徳島県鳴門市) 「夏にでも食べたい! 栄養満点つみれのピり辛鍋」
4位 徳島平成病院(徳島県徳島市)「みんな大好き中華料理でSABA定食」
5位 ケアホーム住吉(兵庫県神戸市東灘区)
「カレーなら残さないっ! いま食べたい魚 × カレー献立」
【関東エリア】
1位 ココロネ板橋(東京都板橋区) 「ハワイアンランチ」
〈献立ポイント〉
ハワイ旅行の気分を味わいながら楽しく魚が食べられるように、ハワイの雰囲気で統一したメニューを考案。メインメニューは「ポキ丼」とし、幅広い年代から人気が高いマグロを使いました。ほかのメニューも「ガーリックシュリンプ」や「ハワイアンピザ」といったハワイ料理でそろえましたが、それぞれ日本人が食べやすい味つけに調整しています。
同率1位 ケアホーム船橋(千葉県船橋市) 「贅沢✧魚づくし御膳✧」
〈献立ポイント〉
メインディッシュに「ハモ」を使用し、料亭の高級感を演出。ウメとミョウガを使ってさっぱり感を出し、食欲増進を図りました。小鉢料理には、施設内でアンケートを取った結果から、人気が高かったサケとツナをふんだんに取り入れています。見た目の美しさはもちろん、全体的に香り豊かな旬の食材を用いて、嗅覚でも楽しめる献立としました。
3位 ヴィラ都筑(神奈川県横浜市都筑区) 「下剋上! 太刀魚が美味しいメニュー」
4位 ヴィラ桜ヶ丘(神奈川県横浜市旭区) 「夏の魚御膳~会席料理風~」
5位 緑成会病院(東京都小平市) 「タチカツがメインの夏野菜たっぷり! さっぱりイタリアン!」
次回の献立・調理コンクールおよび、当グループ栄養部の今後の取り組みに、ぜひご期待ください!