ひとプロジェクト【第31回・後編】ヴィラ本郷・グループホーム本郷/鈴木信彦・ユリアンティ夫妻

ヴィラ本郷・グループホーム本郷

鈴木 信彦 さん

Suzuki Nobuhiko

鈴木 ユリアンティ さん

Suzuki Yulianti

介護は素晴らしい仕事
2人これからも手を取り合って歩みます!

山口県岩国市の、ヴィラ本郷・グループホーム本郷で働く鈴木信彦・ユリアンティ夫妻の後編です。お2人のこれからについてや、お仕事についての姿勢などをお聞きしています。日頃、どんな想いでお仕事に取り組まれているか、また、ご自身の経験も踏まえながら、介護職種やEPA候補者(※)への気持ちも語ってくださいました。お2人の息の合ったやりとりにも注目です! ぜひご覧ください!
※EPA:特定の国との間で人材の移動や投資など幅広い分野で経済関係を強化していく取り組み。平成医療福祉グループのEPAの取り組みについては、こちらをご覧ください。

  • 〈グループホーム本郷〉鈴木 信彦

  • 〈ヴィラ本郷〉鈴木 ユリアンティ

何より今は子どもが一番

ご結婚してお子さんと暮らす今は、どんな夢を持って仕事していますか。

ユリアンティ

子どもが生まれたりなどもあって大変だったのですが、介護福祉士の試験に合格したいですね。夢は願わないと叶いません。それと、もっと優しく介護したいです。あと仕事以外の話としては、元気に子育てができたらいいですね。

信彦

子どもは4歳と2歳の女の子なんですが、かわいいんですよ〜。そのためにがんばらないといけないなと思っています。

ユリアンティ

そうですね、子どもが生まれて、今までの夢にもっとプラスです。で、将来的には、いつか私の子どもがレストランをオープンさせて…。

信彦

まだその夢を持っちょるん(笑)?

ユリアンティ

ずーっと残ってる(笑)。

レストランを開きたいっていう気持ちがあるのはどうしてですか。

ユリアンティ

サービスするのが好きなんです。みんなが満足して、「おいしかったです」って言ってもらいたい。上手ではないけど料理は好きですし。インドネシアの料理も、和食も作ります。和食は大好きで、もっと和食の勉強もしたいなと思っています。

レストランはずっと夢としてあるんですね。

ユリアンティ

レストランのことは、考えると楽しいので、疲れた時とかにふと思い出すことがあるんです。でもやっぱり今の夢としては、子どもの成長が一番なんですね。

子育てしながら長く働きやすい職場
EPA候補者の帰国に涙…

お子さんが生まれてもお仕事は続けられて。

ユリアンティ

みんな家族みたいな雰囲気で、働きやすいです。子育て中は時短勤務もできますし、急に子どもの熱が出たっていう時も対応してもらえます。

ヴィラ本郷、グループホーム本郷、どちらの施設も長く働いているスタッフが多いですか。

ユリアンティ

そうですね、長い人は15年くらい働いています。

信彦

退職者が少ないですね。退職にしても、引っ越しを機にとか、結婚を機にとか、そういった理由がほとんどで。

働きやすいっていうのが理由としてあるんでしょうか。

ユリアンティ

私にとってはそうですね。

信彦

子育てしているスタッフにもそうですけど、そもそもEPA候補者に対する支援自体が、グループとして手厚いですね。

グループの制度として、候補者の家賃や食費は比較的抑えているそうですね。

信彦

おかげでユリも仕送りができました。インドネシアは互助関係が強くて、もう卒業しましたけど、当時ユリも甥っ子の大学の学費を世話していましたから。

ユリアンティ

そこはお互い様なんです。もしかしたら将来、今度は甥が私たちの子どもを支援してくれるかもしれない。

信彦

そういう風にみんなで支え合うのが文化みたいですね。

ユリアンティ

日本ほど社会保障の制度がまだ整っていないというのも理由かもしれないです。でも、インドネシアもどんどん成長していますし、制度も少しずつできてきています。

ちなみに今現在、EPA候補者の方はヴィラ本郷に何人いらっしゃるんですか。

ユリアンティ

今は4人ですね。少し前にちょうど1人インドネシアに帰ってしまって。

信彦

介護福祉士の試験を受けた時に、合格点の半分以下だったら帰らなきゃいけないという決まりがあって、本当は残りたかったのに、泣く泣く帰国することになって…。

ユリアンティ

帰ると決まって、みんな泣きました。本人はとても真面目だし、がんばり屋さんだし、特に利用者さんみんなに明るく接していました。

がんばっていたことがわかっているだけに、残念ですね。

ユリアンティ

とても残念でした。気持ちがあっても帰らないといけないっていうのはやっぱり悩ましいです。

信彦

もったいないですよね。施設長も大泣きしていましたよ。

働くうちに気が付いた
介護職の素晴らしさ

これからのお仕事の目標はありますか。

ユリアンティ

利用者さんが、歳を重ねてもその人らしく、自分の家と感じてもらいながら、この場所で良かったと安心してもらえたら、私たちも嬉しいですね。

信彦

グループホームも一緒ですね。利用者さんは認知症の方なので、夕方になると「もう帰らにゃ」とか「ここはどこ」とおっしゃる方もいて。なるべく、みんなでここで楽しく生活できて、不安な気持ちにならないようにと努めています。

ユリアンティ

本当に、介護の話になるとたくさん話すことがあってキリがないです(笑)。日本に来てこの10年間、たくさん勉強になりました。新しいこともどんどん出てきます。認知症についても、勉強したとしても、本当に利用者さんと会ってみると、全然違いますから。

やっぱり教科書だけではわからないことがたくさんあると。

信彦

利用者さんが100人おったら、100人それぞれの対応になりますからね。

ユリアンティ

疲れることもありますけど、そんな時も自分を元気づけています。介護は人としてすごい勉強になります。利用者さんたちと深く接しますし、素晴らしい仕事だと思いますよ。でも、すごく申し訳ないことなんですけど、日本に来てすぐの頃は、介護の仕事を魅力的だと思ってない時もあって。

そういう時期もあったんですね。

信彦

それは、日本に来てから、施設で働く前の研修で、「介護の仕事は給料も低くてどうのこうの」って、よくない風に言った講師の人がいたそうなんですよ。

マイナスに捉えるようなことを伝えられたんですか。

ユリアンティ

でも、今は、これまで介護の仕事のキャリアを生かして、レベルアップしていきたい。スキルについて、サービスについて、もっと成長したいんです。

インドネシアの介護施設事情
日本での努力は必ず生かせる

EPA候補生として日本に興味を持っている人にアドバイスはありますか。

ユリアンティ

夢を持って、3年間を大事に過ごしてほしいですね。勉強して合格して、できれば日本で働き続けられたらいいですけど、もし母国に帰るとしても、学んだことや日本の技術を、国で生かしてもらえたらいいなと思います。

お互いの国のためになればいいですからね。

ユリアンティ

私のように家族ができることもありますしね。いろいろと活躍ができる道もあると思うので、ぜひぜひ世界のために、日本に来てほしいですね。

ちなみにインドネシアの介護施設事情はどんな感じですか。

ユリアンティ

施設はあるけど数はまだ少ないです。考え方としては、自分の親は家族が最後まで家で見守る、というのがまだ強くあります。お手伝いさんが手伝ってくれているという家庭も多いですね。

介護施設を利用するという考えはまだポピュラーではないのですね。

ユリアンティ

でも少しずつ状況は変わってきていますし、これから施設も増えるかもしれないです。

そう考えると、日本でこうして介護の勉強をして経験を積むことは無駄じゃないですね。

ユリアンティ

その経験はとても大事です! 例えばもし私が今インドネシアに帰ったとしても、あちこちからウェルカムだと思いますよ。やっぱり日本はタイムマネジメントの意識が高いので、日本で働いていたことはとても喜ばれるみたいです。

もし日本で学びたいと思って迷っている方には、挑戦することをお勧めしますか。

ユリアンティ

絶対挑戦した方がいいですし、もっと多くの方に来日してほしいです。

楽しく利用者さんに過ごしてもらう
川柳もそのためのひとつのツール

信彦さんはグループホーム本郷でどのようなお仕事をされていますか。

信彦

管理者という立場で仕事をしているんですが、利用者さんの対応が半分、管理業務・事務業務が半分っていう感じです。基本的にはみなさんに楽しく過ごしていただけたらいいなって思っています。

先ほど拝見しましたけど、確かにすごく明るく接していましたね。

信彦

それとトラブルがないように安全に、ですね。私は基本的に慎重派と言いますか、それでいておっちょこちょいな部分もあると自覚しているので、すごく気をつけています。

やっぱり大事な部分ですよね。

信彦

おかげさまでスタッフにも恵まれていますので、協力して利用者さんに快適に過ごしていただけたらと。またグループホームは地域密着というのがモットーなので、今後はもっと地域の方と交流を持って、お互い手を取り合って、生活していけるような環境を作れるようがんばっていきたいです。今はそれが少しずつ芽吹いてはきているかなっていうところではあります。

信彦さんに聞きたかったことがあるのですが、グループのInstagramでやっている「私が、詠みました」という川柳の企画(※)に、いつもかわいらしい句を送ってくださいますよね。とても入選率が高いので、どうやって作られているのか、とても気になって。

信彦

毎月いつも1本は送ろうという目標を立てて送ってるんです。やっぱりこういったものは、目標を決めないと続かないので。

※グループの病院・施設の患者さん・利用者さん・スタッフから募った川柳を掲載する企画。グループのInstagramはこちらからご覧ください。

川柳を作ることにハードルを感じる方もいそうですね。

信彦

ゼロから一句をまるまる作るのは大変でも、お話ししながら題材を探して作っているんです。普段から話すなかで気になる発言があったら「じゃあこれをテーマに川柳を作ってみようか」って言って、お手伝いしながら作ってもらっています。

なるほど、普段のコミュニケーションがとても大切になってきますね。ほかの施設の方にも参考になるかもしれないです。

信彦

なるほど、普段のコミュニケーションがとても大切になってきますね。ほかの施設の方にも参考になるかもしれないです。

川柳もその一環なんですね。

信彦

面白く過ごしてもらうための、ツールとして使っています。

ぜひそうしていただけたらありがたいです。

これからも2人で手を取り合い
笑顔のある家庭を

今後、どういう家庭を作っていきたいですか。

信彦

多くは望まないので、みんな元気で、ニコニコ笑顔で暮らしたいですね。

ユリアンティ

子どもたちのために。お互い手と手を取り合って、できるだけ一緒にやっていきたいです。やさしく正しい家庭がいいですね。

信彦

こんなことを人前で話すことになるとは思わなかったです(笑)。

ユリアンティ

本当に全部バレた(笑)。

(笑)。お互い今は向かい合わせの施設で働いていますよね。

信彦

目の前ですけど適度に距離があって、しかもお互いの立場や状況もわかるので、仕事の相談とかアドバイスはしやすいですね。

ユリアンティ

夫婦が近い距離で働くことって、恥ずかしい、気を使うという声もありますけど、私にとってはやりやすいですね。足りないところをお互い補えます。私は信彦さんに「スタッフさんにも普段から感謝の気持ちを伝えないとダメ」って言っています。

信彦

そういうアドバイスはありがたいですね。今日の話を聞いてるとわかると思うんですけど、私は基本、どうでもいいような話をバーっとするんですけど、ユリの話はね、実に深いというか(笑)。

いえいえ、お2人から良いお話を聞かせていただいていますよ(笑)。

信彦

ただ「今までお付き合いした人のなかでは一番ロマンチックがない」って言われましたよ(笑)。

急にその話を(笑)。

ユリアンティ

恥ずかしい(笑)。でももうそこは理解してます。代わりに信彦さんのご両親が、私にお花をよくくれます。「私の息子は絶対にプレゼントとかそこまでしないから代わりに」って。

さすがご両親は理解されていますね。

ユリアンティ

今はロマンチックよりは、お互いに理解し合えることが大事です。安心感がある方が良いですね。

信彦

ちなみに今日、ユリの誕生日なんですよ。

そうだったんですか、おめでとうございます!

ユリアンティ

昨日、サプライズパーティーをしてもらいました。

信彦

ちょっとしたことですけど、私が休みだったので、ご飯を作って、両親と子どもたちと一緒にユリの帰りを待ってたんです。

しっかりお祝いされてるじゃないですか! 嬉しかったでしょうね〜。

ユリアンティ

嬉しい! 涙が出ました。

前編を読む

profile

ヴィラ本郷 鈴木 ユリアンティ(すずき ゆりあんてぃ)

【出身】インドネシア ジョグジャカルタ市
【職種】介護士
【趣味】料理(インドネシア料理も和食も作る)
【夫婦共通の趣味】旅行と子育て

グループホーム本郷 鈴木 信彦(すずき のぶひこ)

【出身】広島県
【職種】介護福祉士
【好きな食べ物】錦糸卵
【夫婦共通の趣味】旅行と子育て

施設情報

山口県岩国市本郷町本郷2086番

社会福祉法人 平成記念会
ヴィラ本郷・グループホーム本郷

ヴィラ本郷は1999年開設した介護老人福祉施設です。入所およびショートステイのサービスを提供し、のどかな本郷の環境のなか、利用者さん一人ひとりに合わせたケアに取り組んでいます。隣接するグループホーム本郷は、少人数の認知症高齢者と介護スタッフが、食事の支援や掃除などを協力し合いながら共同生活を送り、症状の改善や心身機能の維持・向上を図ります。