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グループ栄養部の取り組み紹介 Vol.3
毎月実施の研修会、充実した教育でキャリアアップをサポート!

取り組み2022.01.28
取り組み

当グループ栄養部では、患者さん・利用者さんに適切な栄養管理と、おいしい食事を提供するため、さまざまな取り組みを行っています。
より深く広く、グループ栄養部のことを知っていただけるよう、その取り組みの一部を当サイトでご紹介してまいります!

今回は、栄養部で活発に進められている研修会についてご紹介します。

本部主導・エリア主導、2つの柱で学びをサポート

現在、グループ栄養部では、教育学術課が主導する形で、定期的な研修会が行われています。

研修テーマは、「栄養管理・チーム医療」「栄養指導・生活支援」「給食管理」「学術・研究」などの領域に対応し、なおかつ業務に生かせる実践的な内容。
研修は全管理栄養士が必修で、およそひと月に一度のペースで実施されています。

さらに、グループの各エリアでも、エリアごとの栄養部が主催する研修会を実施。本部主導のものとは違ったアプローチによる学びの機会が設けられ、全体で積極的に教育の充実が図られています。

管理栄養士のキャリアラダーに基づいたカリキュラムで弱点を克服

こうした教育システムの充実はどのように進められ、実際どういった内容が研修会として展開されているのか、グループ本部の研修を主導する、栄養部 教育学術課の山本 祐子課長に話を聞きました。

栄養部 教育学術課 山本 祐子課長

以前から教育システムの整備は考案されていましたが、実現に動き始めたのは、山本課長が入職した2019年以降のこと。以前は、新人研修と、年に何度かの研修が実施されていたほかは、外部研修への補助が出ることもあり、自主的な学びに任される部分も大きかったそうです。

「現在実施されている研修会は『キャリアラダー(※)』を活用した教育システムの一環として機能しています。私が人材育成・教育の担当となり、どういった人材育成システムを導入するのがいいかと考えた時に、参考にしたのが、たまたま日本医学会で目にした看護師のキャリアラダーだったんです。看護師の業界では当たり前のようなんですけど、管理栄養士の業界では運用している例をあまり見たことがなくて」

※キャリアアップのためのプランの一つ。仕事の内容がはしご(ラダー)のように、一つひとつステップを上がるように設定され、着実にキャリア向上できるような道筋を設定する、人材育成のシステム。

その後、看護師のものなどを参考としながらラダーの素案を構成した山本課長は、集められたチームメンバーと協力しながら、グループに応じたラダーを形作ります。

「ラダーは、領域ごとに項目がたくさんあるので、それに対応する形で研修会を実施していくことにしたんです。ラダーのステップを踏んでいくためには、一つひとつの項目を習得する必要があって、そのための研修会を実施しています」

グループ栄養部が目指すのは、グループ理念である「絶対に見捨てない。」に基づいた「絶対に見捨てない管理栄養士」の育成。キャリアラダーも当然その方針に沿った内容となっています。

「食事を大事にするグループだから、栄養管理だけでなく給食管理についてもラダーに組み込んでいます。これは、厨房を直営して、管理栄養士も厨房業務に関わるこのグループならではですし、ラダー自体がまさにグループオリジナルのものになっていると思います」

キャリアラダーおよび研修会の実例は次のようなものです。

キャリアラダーの一例

※2022年度からは以上の4領域に加え、管理栄養士の知識や技術を実務に落とし込むための基盤となり、マネジメント能力向上とサポーターの育成を目指す新領域を導入予定です。

研修内容の一例

外部で受講できるレベルの研修内容を、グループ内で受講ができる

管理栄養士としてキャリアアップをしていくために必要な内容がテーマとして設定された研修会。そのため、より実践的であり、全管理栄養士は受講が必須になっているのだそうです。

研修テーマは、教育学術課のメンバーで年間計画を立案。事前に概要を作ったうえで、必ず実施の2カ月前には各現場に連絡を入れて告知しています。

「キャリアラダー自体まだ始まったばかりですが、2年目からは、項目ごとの達成度を見ながら、研修会の年間計画を立てました。例えば『栄養診断』のように、達成度が低い項目が見えたので、そういった弱い部分を基準にセレクトしていきました。ただ、計画はあくまでも計画なので、その時期に必要なものが出てくれば、その都度差し替えて実施しています」

苦手な項目の強化や、タイムリーなテーマ設定など、研修会は、まさに必要な要素を詰め込んだ「意味のある」ものとなっています。

「作る側の教育学術課のメンバーも、常に勉強が欠かせないので大変ではありますけど、みんな使命感を持って取り組んでいます。質の担保にも力を入れていますので、普通なら外部の研修会で受講するような内容ですし、それが無料で受けられるというのは、グループ栄養部の魅力の一つだと思います」

研修内容をすぐに実践で生かせることが魅力

研修を受けた後は、1週間の猶予を設けて内容を咀嚼したうえで、復命書の形で報告します。研修会が始まった当初は、学んだ知識の羅列や、感想のみが報告として提出されることも多かったそうですが、現在では「『学べたことをどのように業務に生かすか』という視点での報告が増えました」と、山本課長は話します。

では実際、研修を受けるスタッフはどのような感想を持っているのか、管理栄養士で世田谷記念病院 栄養部 粟田 麻友主任に話を聞きました。

世田谷記念病院 粟田 麻友主任

「自分のようにグループである程度働いていると、グループの栄養管理の方針や目指すべきところについては、今まで触れてきているのですが、勤続年数が短いスタッフには、どうしても言葉だけで伝えきれていない部分がありました。この研修会を通じて、グループの考え方、目指すべき管理栄養士像が行き渡りやすくなりますし、それを理解したうえで栄養管理に取り組んでもらえるというところが、とても意味があると思っています」

さらに、病態についての研修会についても、学びが多いと話します。

「病態については個人で勉強することも多いんですが、自分だけでは調べきれないこともあるので、専門的なことを細かく説明してもらえるのが、すごくありがたいです。学生時代に学んできたことではあるんですけど、あらためて学び直すことができます。参考書だけではカバーできないような、業務に必要となる細かい部分がわかって、実践でもすぐ生かせる内容になっていると思います」

各エリアの研修会で、より細かく学びをサポート

では、教育のもう一つの柱となる、各エリア(関東、関西・山口、徳島)での研修会は、どのようなものなのか。関西・山口エリアの研修会を担当する、泉佐野優人会病院 栄養部の長井 衣里子係長に話を聞きました。

泉佐野優人会病院 長井 衣里子係長

当初は、キャリアラダー研修にないテーマを合同で学ぶことを目的に始まったという、関西・山口エリアの研修会。せっかく合同で集まる機会となるのであれば、知りたいことを学ぼうということで、アンケートを元にテーマを決めて、研修を行うことになったそうです。

「毎回持ち回りで、エリアの病院・施設が講師となって、例えば褥瘡(じょくそう)とか嚥下(えんげ)について講義をしていたんですけど、30分の中に情報を詰め込むことになって、資料を作る方も聞く方も大変になってきてしまって」

そこで、1年が経った頃に、知識を学ぶ研修から、各現場で起きている症例を共有する研修に方向を転換。より現場のニーズに沿った研修会を実施することとしました。

「『こういう患者さんに、こんな対応をしたら改善につながった』というような情報共有は、グループ内でもそんなに積極的に行われていなかったんですね。せっかくラダーの研修会で知識を教えてもらうので、そこで学んだことを現場でどう実践したかも、みんなで共有していこうと。そうすることで、今後業務で迷った時に『あの病院に聞いてみよう』という横のつながりができたらいいなと思ったんです」

グループのように大きなくくりではないからこそ、よりエリアでの実情を反映したテーマも取り上げていくようになったそうです。

「ラダーに沿ったテーマも取り上げるんですが、業務に関するテーマも多くなりました。『こんな問題やインシデントがあったので、それを共有します』とか。最近では、災害など非常時の対応をテーマにしました。私も含めて、マニュアルでしか対応を知らないんですが、実際に台風で停電が起きた施設から『実際にはこういった点に気をつけた方がいい』ということを話してもらって」

さらに、エリアで研修を進めることでの利点として、次のことを挙げました。

「キャリアラダーの研修と違って、参加する病院・施設側も発表者になるので、その資料作成を通じて、学びを深めることができています。やるからにはちゃんとしたものを作らないといけないですし、実際、『担当した分野について、より理解できるようになりました』という声ももらっています。
あとは、病院・施設で働いていると、自分の現場だけ、自分の担当する患者さん・利用者さんだけしか見る機会がない、ということも有り得るんですが、グループにはいろいろなタイプの病院や施設がありますので、そこでの症例について話を聞けるのも大きいですね。多くの症例が出ていますから、今後は学会での発表にもつなげていけたらと考えています」

オンラインによるエリア研修会の様子(画像は関東エリアのもの)

さらに実践的な研修会を目指して

最後に、学びの重要性と今後の展望について、再び山本課長に聞きました。

「こうした学びの環境を整えることは大事だと思います。学んだことを、日常業務に活かせればやりがいにもつながりますし、ラダーの領域にもある『学術研究』も重要で、研究を日常に行うことで、モチベーションアップをもたらします。ひいては、エビデンスに基づく確かな臨床実務・生活支援につながると考えています」

また、コロナ禍の現在、施設間をまたいだ実地での研修が難しいからこそ、今後の研修会ではより実践性を意識していくことを考えているそうです。

「あるテーマに対してディスカッションを行ったり、少人数でのグループワークを取り入れていこうと思っています。『こういうシチュエーションではどうするべきか』テーマを設けて、ロールプレイをしてもらうことも考えています」

さらに、人材育成・教育の分野で今後力を入れていくこととして、次の二つを挙げました。

「一つは新人教育ですね。今までも課題に挙げられていたんですが、2022年度からは、グループでいくつかの病院・施設を教育施設として選んで、新卒のスタッフを配置して、育てていこうと考えています。
もう一つは、グループで働く栄養士の、管理栄養士の国家資格取得のサポートです。グループでは資格取得を推奨していますので、栄養士として働きながら管理栄養士を目指せるように、希望者に月1回の研修が始まっています。栄養士は厨房業務にも多く入っているので、時間の確保が難しいんですが、今後さらに受講者を増やしていきたいです」

平成医療福祉グループ栄養部の取り組み

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