寂しさもあった、スピード出世と支えになっている仲間の存在/リハビリテーション部門 部長/池村 健さん
寂しさもあった、スピード出世と支えになっている仲間の存在
平成医療福祉グループのリハビリテーション部門をまとめる部長職をされている 池村 健さん。29歳から理学療法士を目指した池村さん。セラピストが少なかった当時、質の良いリハビリテーションが提供するために奮闘した日々を教えていただきました。
29歳から歩き始めた医療人の道
ご出身はどちらですか。
生まれも育ちも徳島です。博愛記念病院からもう少し南へ行った場所です。
生粋の阿波踊り県民なんですね。
そうですね。毎年、踊ってますよ。「企業連」と呼ばれる会社や企業が踊る団体の連があって、グループ職員が参加する「平成連」のメンバーとしても参加しているんですが、もうひとつ別の「連」にも所属していて、1年中練習をして踊っています。楽しいんですよ。職場だと立場が上になってますけど、阿波踊りの「連」ではまだまだ中堅層で若いもん扱いですから(笑)。その感じが心地いいです。
すごく楽しそうです!
職場とはまた別の立場で、さまざまな関わりが持てることが楽しいです。博愛記念病院のリハビリテーション部にも8人ほど所属していて、阿波踊りを楽しむ後輩が増える楽しさも味わっています。
グループに入職された時期はいつ頃ですか。
2005年に新卒で入職しました。理学療法士になるために専門学校へ通いはじめたのが29歳だったので、フレッシュな社会人らしさはなかったですが(笑)。
どうして理学療法士になろうと思われたんですか。
きっかけは、友人の一言と妻の後押しでした。ちょうど前職の仕事への情熱を失っていたとき、同年代の友人から「理学療法士の専門学校に行く」という話を聞いたんです。驚いている僕に妻が「あなたも向いていると思う」と勧めてくれました。
入職時から「やってみたい」と言い続けてきた
理学療法士になった当時のエピソードを教えてください。
当時は、全国どこの病院にもリハビリの職員が少ない時代でした。僕が入職した博愛記念病院で10名ほどでした。少ない人員でも「こうやってみたい」とか「よくしたい」と新人のときから熱いタイプだったので、先輩たちとぶつかることも多かったですね。
特に印象的だった出来事はありますか。
病院やグループがリハビリテーション部のスキルアップに積極的で、博愛記念病院から急性期病院の徳島赤十字病院への出向できるという新しい取り組みができたんです。それに手を挙げて1年ほど出向させてもらい、急性期病院のリハビリテーションを学ぶことができ、ますます博愛記念病院のリハビリテーション部に活気をもたせたいと思うようになっていました。
やりたいと思う気持ちを伸ばしてくれる機会があったんですね。
そうですね。急性期病院らしいスキルや発想など、当時の博愛記念病院にはなかったものを持ち帰って広めようと思っていました。そうやって力を注いでいるうちに、役職が上がって勉強会を開く立場になったり、動きやすい立場になったのでタイミングに恵まれていたと思います。
少しずつリハビリテーション部の土台を作ってきたんですね。
当時は各施設から同期のスタッフが「応援」に来てくれて、その度に「もっと上のリハビリをしたい」って話し合っていました。僕が管理職の立場になったときに、ほかの同期も管理職として活躍してくれていたからこそ、さらに幅広い取り組みができました。同期の絆も土台のひとつですよ。
リハビリテーション部のトップになって
リハビリテーション部を統括する立場になったのはいつ頃ですか。
2012年です。すごくモチベーションが高い職員が「もっと勉強したい」って去って行く姿を見て来たので、改革できる立場になってうれしかったですが、ひとつだけ譲らなかったこともありました。
それは、何ですか。
当グループの代表も副代表もめちゃくちゃ忙しいなかでも診察をしています。先生方も原点は臨床なんだと勝手に解釈し、今でも週1回の臨床は守っています。やっぱり、現場を知ってこそですからね。
現場の声を拾って行った取り組みなどはありますか。
いくつかあります。例えば、若い職員の退職を防ぐために、専門的な資格を取得すれば給与として反映してくれるようになりました。スキルを上げて行きたい3、4年目の職員にとっては、わかりやすい目標と成果です。
職員からの反応はいかがでしょうか。
とても良いようです。自分が学びたいと思う勉強会や学会の参加費も所属長の許可を取れば全額支給してくれるようにもなりましたし、普段は他施設で勤務する職員ともテレビ会議の回数を増やしたら、学会や地方の勉強会で会ったときに各自でコミュニケーションを取るようになったと聞いています。リハビリテーション部は大所帯なので、人数の多さが強みになることもしていきたいと思っています。
今でも同期が大切と思う理由とは
仕組みをつくるうえで、大切にしていることは何ですか。
「僕の力だけじゃ無理」って再認識しておくことですね(笑)。
そうなんですか?!
僕がこの立場にいるのは、ただの偶然です。管理職になったときに、僕の意図を汲み取って職員に伝えてくれたり、率先して動いてくれる良き理解者がいたから、いろいろと改善できました。同期やいつも近くで仕事をしている同僚や後輩たちには随分と支えてもらっています。
今も一緒に仕事をしているんですか。
そうなんです。もっと言えば、専門学校時代の同期もグループ内にいて、そのメンバーが最高に良い仕事してくれてます。自分に役職が就いて「こうして行きたい」って思い始めたときに、僕の性格や理想像を知ってるからこそ、要点を伝えるだけでいい彼らの存在は大きいです。
すてきな仲間ですね。
そうですね。大切な存在です。
「嫌われろ!」という教え
部長になってから印象的な出来事はありましたか。
強烈だったのは、代表からのアドバイスですね。
どんなアドバイスだったのでしょうか。
僕は部下や他部署から嫌われながら仕事するのが嫌で、波風立てずに物事を進めていきたい気持ちがありました。代表から「そこが甘い」と指摘を受け「根拠のある話をして、こっちを振り向かせろ」と言われました。「嫌われろ」って言われましたね。
インパクトのある言葉ですね。
そうですね。代表らしい発言だと思います。僕が弱腰で接していることに対して、襟を正してもらえた良い機会でした。
実践されてるんですか。
いやぁ(苦笑)。「根拠のある話をしろ」と「嫌われろ」を横に並べて実践するのは、カリスマ性がないと難しいです。
「嫌われる勇気」難しそうです。
その前に真似るリーダーが大きすぎるでしょ。施設同士でグループの足並みを揃えるように各施設に求めるときは「根拠のある話」を例にして説明するので、そういったところは真似ているかもしれません。でも、嫌われるのは嫌やけど(笑)。
目標は、スペシャリストとジェネラリストがいる環境
リハビリテーション部の来年度の計画を教えてください。
実技を希望する声が多数あがってきたので、来年度からは実技の充実を図れる教育プログラムに組み変えていく予定です。
現場の声を反映した内容なんですね。
できるだけ反映した計画で進めています。もちろん、何でも実現できるわけではないですが、各施設の上長や役職者会議などで情報交換ができているので、改善できるものから取り組んでいます。
部長としての構想はいかがですか。
まだまだ途中段階ですが、質の向上に力を注ぐ予定です。専門分野の認定資格を取得すると給与に反映される仕組みはできましたが、「スペシャリスト」がグループの組織を超えて秀でた活躍ができる環境を整えていきたいです。
グループを超えた活躍ですか。
そうです。例えば、「肩関節だったらあの病院のこの人に聞けばいい」というのが、すでにグループの中で浸透していて、何かの学会に参加した職員が病院関係者から「肩関節の人、有名ですよね」って声をかけてもらえるとか。グループの規模だけじゃなくて、各エリアにも「あの人、すごく有名ですよね」っていう存在を作っていきたいです。
個人のスキルも伸ばしていく方向なんですね。
そうですね。好きな分野なら何時間でも勉強するという職員が実際にいてますし、そういう部分も刈り取ってしまわずに、伸ばす教育も必要だと考えています。業界の関係者が絶賛するような人材が職場にいたら楽しいですよね。
仲間に囲まれて過ごすことが何よりも原動力になる
池村さんの原動力はどこから来るのでしょうか。
クラブ活動や飲み会ですね。
大勢で過ごすことがお好きなんですね。
めっちゃ好きです(笑)。仲間と一緒にお酒を飲みながら、いろいろと語るのが僕の原動力になっています。
病院のクラブ活動は何をされているんですか。
病院というより、グループに所属する関西メンバーでゴルフクラブを作って定期的に集まっています。そのメンバーから刺激を受けることが多いです。置かれた環境や状況も分かっている仲なので、感化されやすいのかなぁ。
仲間からパワーをもらっているんですね。
そうですね。ゴルフに限らず、新しい施設の立ち上げや応援に出向いたことで巡り会えた仲間が財産になっています。僕がやってみたいことを実行に移せたのは、間違いなく彼らの存在があったからです。ゴルフは趣味ですけど、ゴルフを始めて、代表や理事の方々ともコースを回る機会もできました。
緊張感のあるゴルフですね。
いやいや。普段、代表は僕を褒めるタイプじゃないんですが、ゴルフになると「ええショットやな」って褒めていただけるので貴重です(笑)。僕の中で代表はワクワクする存在ですよ。
昔から変わらず好きなものでリフレッシュ
では、ゴルフ以外でリフレッシュといえば何ですか。
釣りですね。僕、船舶免許の2級を持っているぐらい海釣りが好きなんです。
本格的ですね。
釣った魚をその場で調理したり、海の色が濃い青になってくる境界線みたいな場所まで船を出して、釣りをするのが好きなんですよ。濃紺が好きなので、海を眺めているだけでも癒されます。
魚を食べることも好きなんですね。
そうですね。新鮮な魚は美味しいですから。でも、好きな食べ物といえば、生肉が好きです。今は食べる機会がなくなったけどユッケ、馬刺し、生レバーとか。
魚じゃないんですね(笑)。
(笑)。
プロフィール
平成医療福祉グループ リハビリテーション部 部長
池村 健
いけむら たけし
【所属】博愛記念病院
【出身】徳島県
【趣味】釣り、ゴルフ
【好きな食べ物】生肉
【好きな色】濃紺