ひとプロジェクト 第55回【後編】印西総合病院 保育士/田口 英子さん・山本 未久さん

印西総合病院

山本 未久 さん

Yamamoto Miku

田口 英子 さん

Taguchi Eiko

みんなが落ち着いて過ごせる「おねつ保育園」を
託児も病児保育も、安心して預けていただけるように!

印西総合病院の保育士、田口英子さん、山本未久さんの後編です。今回は、院内の託児室や、病児・病後児保育施設「おひさまルーム(※)」の実際のお仕事内容や、そのやりがい・楽しさについて伺いました。意義深い病児保育の役割や、託児室のお子さんとの心温まるエピソードも聞くことができました。ほっこりするお2人のプライベート話も飛び出す後編、ぜひご覧ください!

※おひさまルーム:印西総合病院内にある病児・病後児保育施設。くわしくはこちらのページでご確認ください。

  • 〈印西総合病院 保育士 保育室 主任〉田口 英子さん

  • 〈印西総合病院 保育士〉山本 未久さん

穏やかに楽しく過ごせる「おねつ保育園」
病児・病後児保育のやりがいとは

病児・病後児保育と、一般的な保育園でのお預かりには、どんな違いがありますか。

田口

病気ではありますけど、あくまで同じ子どもとしてみてますね。病気中なのでもちろん気をつけないといけないですし、痙攣が起きるとかグッタリしちゃうっていうことはあるんですけど、病院内なので看護師も医師もいてしっかり連携が取れていますし、常にケアしてもらえるので。あとは一人ひとりの状態に合わせて、できる範囲を見つけて、遊べそうであれば遊んでいます。

山本

本当に具合が悪いっていう子以外、ずっと寝ているっていう子はほとんどいないです。寝ている子どものそばにずっとついている、っていう感じではないですね。

体調に注意しながら、一人ひとりに合わせた過ごし方をしてもらっているんですね。

田口

症状だけでなく、それぞれの発達にも応じて、落ち着いて過ごしてもらえたらっていうことを心がけています。特に注意することとしては、感染対応ですね。胃腸炎の子が入る場合は、お部屋や遊ぶ場所を分けるとか、うつらないように気をつけています。

確かにそこは大事なところですね。前編では病児保育のお預かりが「楽しい」ということも言われていましたけど、どんなところに楽しさを感じますか。

田口

やっぱり子どもはかわいいんですよね。みんなで楽しく遊んで笑ってたり、ずっと泣いてた子がやっと泣き止んだっていうだけでも嬉しいですし。2歳くらいまではよく熱を出すものなので、繰り返し利用がある場合も多くて、ここのことを「おねつ保育園」って呼んで「おねつ保育園にまた行きたい」って言ってもらえるのも、嬉しいですね。

「おねつ保育園」ってかわいい呼び方でいいですね。

山本

久しぶりに利用しに来た時に、成長しているのを見られるのもいいですよね。

田口

3、4歳くらいになって久々に来た時に「大きくなってる!」とか「すっかりお姉さんになって喋れてる!」とか。そういう楽しみもあって、これはやってみないとわからない楽しさですね。親御さんからも「仕事が休めなかったから助かりました」と言っていただけるのも嬉しいところです。

ちなみに、実際におひさまルームを利用する場合は、どういう手順になりますか。

田口

いくつか手順が必要なんですが、まずは事前登録の書類が印西市のサイトからダウンロードできますので、そちらに記入して、所定の場所に提出していただきます。それと、同じく印西市のサイトでダウンロードできる医師の意見書というものを、かかりつけもしくは当院の医師に記入してご準備いただくことで、利用のお電話予約ができるようになります。

利用の前に、まずは登録と医師のOKが必要なわけですね。

田口

当日にお持ちいただく書類や持ち物もあるので、最初はいろいろと準備が必要なんですが。看病ができずに心配な時も、安心して預けていただければと思って努めています。

コロナ禍のタイミングですが、ご利用に影響はありましたか。

田口

今までは利用数が徐々に増えていって、年間に400人ほどのご利用があったんですけど、新型コロナウイルス感染症が流行してからは、例年より落ち着きました。今はなるべく家で看病しようというのがあるのかもしれないですね。

山本

それと2020年は、新型コロナウイルス感染症対策の影響か、いろんな病気が流行らなかった印象です。手足口病とか、胃腸炎も、いつもより少なかったですね。

現在は利用が落ち着いているとはいえ、こうした保育施設があるのは地域の方にとってはとても大事ですね。

田口

今のところ市内ではここだけですし、お子さんも増えていますからね。家庭で看病できることが一番だと思うんですけど、事情によってはどうしてもできないという時もあると思いますから。「こんな時に預かってもらえるところがあったら」っていうのは、自分が子育てしていたときも思いましたからね。

子どもたちからのメッセージに涙…
近い距離感だからこその交流

託児室でのお預かりは病院ならではというところもありますか。

山本

保育園と違って大きなイベントとか行事はないですけど、院内のデイケアと交流があって、ハロウィンとかクリスマスの時期に衣装を着て利用者さんに歌とか踊りを披露して、子どもたちも利用者さんも、みんな楽しんでくれるんですよ。

季節ごとにそういう関わりがあるのは楽しそうですね。コロナ禍の今はちょっと難しそうですが…。

山本

今は全然できてないので、ちょっと寂しいですね。

田口

でも2020年のクリスマスは、子どもたちがお散歩の時に拾い集めたどんぐりを、デイケアのスタッフさんに渡して、今度はデイケアでそれを使って大きなクリスマスリースを作って託児室に届けてくれました。

直接の交流はできなくても、そうやってつながりができているのは素敵ですね。お預かりとしては、保育園や幼稚園とはどんな違いがありますか。

田口

集団保育ではないので、少人数で、より家庭的な雰囲気があると思います。一緒に生活して、一緒に遊んで、一緒に寝て。おうちと変わらないような感じを心がけていますね。自宅での様子を聞きながら、トイレトレーニングをこっちでもやってみようかとか、そういう対応も臨機応変にしています。働く側からすると、一人ひとりとよりじっくり関われる楽しさがありますね。私はみんなの親戚のおばさんみたいな気持ちでいます(笑)。

(笑)。子どもたちとも親御さんとも距離感が近いからこその雰囲気があるわけですね。

田口

ちょっと前に未久先生が結婚された時も、みなさんにお祝いのメッセージ動画をお願いしたら、快く協力してくれたんです。

それはいいお話ですね。

田口

保育園に通えることになって、託児室を離れた子たちも、親御さんはみんなまだ病院で働いてるので撮影をお願いしたら「逆に参加させてくれてありがとうございます!」って言ってくれて。「あの未久先生が結婚するんですね」って、むしろみんなが未久先生の親気分でしたね(笑)。本当は披露宴会場でサプライズで流してもらう予定の映像だったんですけど。

山本

こういうタイミングなので、挙式だけはやったんですけど、披露宴はできなくて。動画を見せてもらった日、私は夜勤明けだったんですけど、田口先生に「ちょっと座って」って言われて(笑)。「何かな?」と思ったら素敵な音楽が流れて、みんなが映像に出てきてくれて、感動して泣きました。しかも実はその時、ここを辞める予定だったので。

え、その時は辞めるつもりだったのですか?

山本

結婚を機に引っ越しをして少しここから離れたので、通うのが難しいかなと思って、本当は辞めたくなかったけど、辞めることにしたんです。その頃ももう出勤が残りあと少しっていうタイミングで…。でも、実際にここまで出勤してみたら、意外とスムーズに来れて、パートさんにその話をしたら「じゃあ通えそうだね」って言われて、「それもそうだな」って(笑)。

意外と行けるなと(笑)。お祝いのメッセージをくれた方も、田口先生含めてスタッフさんや子どもたちも、結婚は嬉しいけど、辞められるのは寂しく思っていたんじゃないですか。

田口

寂しかったですし、みんなで「あと何回の出勤でラストだ…」って数えてましたね。親御さんも「最後の出勤いつですか」って聞いきてくれて。

でも山本さんとしては、以前より距離が離れても、ここで働くのは続けたかったのですね。

山本

私はここでしか働いたことがないんですけど、本当にみなさんが素敵な人たちばっかりなんですよ。ものすごくいい人しかいないので、違うところに移ったら心が折れちゃうんじゃないかって思って。仕事も楽しいですけど、本当に人が1番の理由ですね。

田口

本当にここはパートさんも常勤の先生もいい人で、ずっと働いてくれてるんですね。みなさんのおかげで、大変な時も一緒にやってこれましたから。

山本

でも、みんなが続けているのは、田口先生のおかげだと思うんですよ。いい雰囲気を作ってくれてますし。シフトについても、みんなのことをとてもとても考えて、働きやすくしてくれてるんです。田口先生がいるからこそ、みんな働き続けられるんだと思います。

いい関係性ですねえ。

託児室、病児・病後児保育
どちらもあってこそのやりがい

では、今後の展望はありますか。

田口

コロナ禍で、本当に今まで以上にスタッフさんはみんな大変だと思うんです。だからこそ、託児室については、夜勤と日勤の調整が難しい時もあるんですけど、みんながもっと働きやすいように、安心してお預かりができる体制を整えていきたいです。

託児室があることで、安心して働けるという方がいるわけですからね。病児・病後児施設はいかがですか。

田口

最初にも少しお話しましたが、現在、予約システムの導入を予定しています。これからも需要は増えていくと思いますので、より利用がしやすくなって、もっと多くの方に使っていただけるといいなと思っています。

利用したいけど、ハードルがあると感じていた方にも、よりアクセスしやすくなるといいですね。

田口

私たちにとっては、託児室とおひさまルームの2つがあってこそ働きやすいので、どちらも今以上に安定させていきたいです。

働く方としても、この2つを回すことでの働きやすいというのがあるのですね。

田口

完全にスタッフを分けるという話も以前あったんですけど、今はこの形が良いと思っています。今後、おひさまルームの利用がさらに増えた場合は、専属のスタッフを採用する可能性はありますけど。

山本さんは今後希望することはありますか。

山本

個人的なことですけど、私はもともと病棟保育士になりたかったっていうのがあるので、小児科病棟ができたら嬉しいなとは思ってます(笑)。そうしたら、ここで先生たちと託児室の仕事もやりながら、一緒にできますし。

そもそもはそういう希望だったわけですからね。

田口

あとは、昨年に私が、病児のことをもっと勉強したいなと思って、病児保育専門士という資格を昨年取得したんですね。まず私が取ってみようと思って挑戦したんですけど、タイミングが合えば今後はみんな順番に取得できたらいいなと思っています。

病児への理解を深めるきっかけになりそうですね。

田口

専門士がいるっていうことだけで売りになるわけではないと思うんですけど、今まで子どもの病気について小児科の看護師さんにいろいろ教わってきたことをあらためて勉強できましたし、保育と看護が協働していく大切さも再度認識できました。年に一回講習があって、病院から費用のサポートもありますから、みんなで取り組んで、病児保育室を発展させていけたらいいですね。

家族との大切な時間
それぞれのお休みの日

お休みの日はどう過ごしていますか。

山本

結婚して生活が変わって、仕事がある日は時間に追われているので、今は休みの日に家のことをやっていることが多いですね。あとは姉のところに甥っ子がいるので、会いに行ってます。

甥っ子さんはいくつなんですか。

山本

2歳の子と、6カ月の双子がいて、やっぱり姉も子どもを見るのが大変なので、たまに手伝いに行ってますね。あとは実家にも帰りますし、いろいろやることがあって時間がなくて…。だから新婚ですけど、現実は違いますね(笑)。

みんなに想像される生活とは違うと(笑)。

田口

洗濯物事件とかもあったしね(笑)。

なんですかそれは!

山本

やっぱり今まで過ごしてきた生活習慣が違うので、バスタオルを洗う頻度で揉めたんです…(笑)。

(笑)。むしろほっこりするエピソードですね。

田口

でもほら、旦那さんがご飯作ってくれるんだよね。

山本

田口先生が気を使ってくれて今は早番がメインなんですけど、たまたま私が遅番で、彼が休みだった時に「ご飯作っておくね」って言って作ってくれたのは感動しましたね(笑)。

いいご関係じゃないですか! 田口さんはお休みの日はどう過ごしていますか。

田口

たまに体を動かしてリフレッシュしたり、あとは今はあんまり行けないんですけど、ママ友と「買い物に行こう」って言って出かけたりしてますね。行くのは大型スーパーで、買うものは冷凍食品とかなんですけどね(笑)。

(笑)。みんなで誘い合わせて行くのも楽しそうですね。

田口

うちはもう子どもが高校生と大学生の娘で大きいですから相手にしてくれないですし、休みはどうやって過ごそうかって思ってますよ(笑)。でもたまに「出かけるから送ってくれ」って言われることもあって、それも今しかできないなと思って優先してます。たまに「うざっ」とか言われますけど、喋ってると楽しいですし。一緒に買い物に行けば「なんか買ってあげるよ」って(笑)。

そういうやり取りも貴重ですね(笑)。では最後に、好きな食べ物はありますか。

山本

私は…これ、載るんですよね?

えっ? 一応その予定ですね。

山本

(恥ずかしそうに)私、チーズ牛丼が好きなんですよ…(笑)。体のこととか考えたらそんなに食べられないですけど、やっぱり夜勤明けの日とかにご褒美的に食べちゃうんです。

田口

わかる〜。私はそういう意味ではチョコレートが好きです。チョコレート系の甘いものをつい食べたくなっちゃいます。

山本

そっちの答えの方がかわいいですね(笑)。

前編を読む

profile

印西総合病院
保育士 保育室
主任 田口 英子(たぐち えいこ)

【出身】千葉県
【職種】保育士
【好きな食べ物】チョコレート(主にケーキ系)

印西総合病院
保育士 山本 未久(やまもと みく)

【出身】茨城県
【職種】保育士
【好きな食べ物】チーズ牛丼(夜勤明けに食べたくなる)

病院情報

千葉県印西市牧の台1-1-1

医療法人 平成博愛会
印西総合病院

救急外来・整形外科・リハビリテーション科・内科・小児科・循環器内科・神経内科・外科・脳神経外科・皮膚科・眼科 ・耳鼻咽喉科・泌尿器科・乳腺外科・婦人科・形成外科安全で質の高い医療を継続して受けられる後方病院としての機能を充実させ、総合病院としての機能を果たすことを目標としています。さらに救急告示病院として24時間365日、患者さんの受け入れを行っています。