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ひとプロジェクト【第11回・後編】システム事業部長/千田 丈慈さん

ひとプロジェクト 千田さん
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「『千田はもういらない』と言われたい」
システム事業を牽引する、そのモチベーションとは

今回は、千田丈慈さんの後編です。システム事業部の担う役割や、自社開発している電子カルテ「Aloe」など、グループを支えるシステムのお仕事に迫りました。また、お仕事を続けるモチベーションや、意外な趣味の話もお聞きしています。ぜひご覧ください!

医療福祉業界におけるITをより高いレベルに

―千田さんが入った時点では、システム事業部はどういった状態だったんでしょうか。

当時はまだ20人くらいの部署だったんですが、他の部署との連携がうまく取れていない状況だったので、まずそれを交通整理するところから始めました。

―じゃあ間に入っていろいろやられたんですね。

そう、システムの言葉を通訳して作文して、関係先の印をもらうっていう仕事をやって。

―根本的な質問ですが、そもそもシステム事業部が担っているお仕事はどういったことでしょうか。

まず大きくは、今あるものを動かし続ける、インフラを空気のように常に供給し続けるっていう仕事があります。例えば院内のネットワークとかコンピュータとか、当然のようにいつも使えるじゃないですか。でも当然、機械だから動かなくなったり故障したりもするんですね。それを、みんなが気づかないうちに常に更新、維持管理していくっていうことです。もう1つは新しい仕組みを提供していくことで、わかりやすいのは「Aloe」という電子カルテですね。それについては、あとで話します。

―わかりました(笑)。

例えば、人材の管理も以前は手書きした書類をファイルして、グループのスタッフ一万何千人分が棚に入ってたわけです。でもそれだと一箇所でしか見れないし、果たしてほかの施設で人が辞めたっていう情報が更新されてるのかなっていう懸念がありました。そこを全国でオンラインで見られるようにすれば、どういう人がどこにいるのかっていうことがすぐわかります。

―確かに管理がかなり楽になりますね。

あと、入った当初は広報の仕事もしていましたよ。広報活動はもっとやった方がいいって言って。そもそもこのグループサイトを作りましょうって言ったのは僕ですから(笑)。

―そうだったんですね!

当時は「平成医療福祉グループ」ってネットで検索すると、2ちゃんねるのスレッドがトップに出てきてたんですよ(笑)。求人に応募しようとして調べたときにオフィシャルの情報がなくて、それが出ちゃうのは良くないじゃないですか。だからグループサイトを作ったんです。

―医療・福祉業界におけるITっていうのは、どういった現状なんでしょうか。

診療部門でも運営部門でもITの必要性はどんどん高まってるんですが、それはほかの業界からすると、まだ高いレベルではないんです。さっきの話も普通の会社では当たり前の事じゃないですか。でもそれができていない。うちのグループは、それがまず世間並みになろうとしていて、そこから先にも進んでいこうとしています。伸び代がいっぱいある中で、グループとしてどうやって発展していくかというところに取り組んでいっている感じですね。

―今現在も千田さん自身の役割としては、いわゆる通訳のような仕事が多いんでしょうか。

それはやっていますね。ただシステム事業部としては所帯も大きくなって、それぞれチームを分けられて、管理ができる人もできて、事業部としてはだいぶ肩の荷が降りて楽になってきましたね。

―部長として出て行くべきところは千田さんがやって、細かいところは任せられるようになったという感じですか。

そうですね。今日はこんな格好(アロハシャツ)だけど、そういうときはスーツをちゃんと着ますよ。「スーツが仕事をする」ときはスーツで仕事をしています(笑)。

 


 
 

電子カルテ開発に、新たな手法を取り入れる

―先ほど話に出たグループの電子カルテ「Aloe(アロエ)」について聞きたいんですけど、どういった経緯で作られたものなんですか。

このグループは僕が入る以前から自社開発の電子カルテを使っていて、それはもともとSE(システムエンジニア)ではないスタッフが作ったものだったんです。ただ使いづらいっていう話があったんで、自前でSEを抱えて作ろうということになって作ったのが「メディスカルテ」というものでした。それが13年前くらいかな。当時としては先進的な取り組みだったと思います。

―千田さんが入るより前に、すでに電子カルテは運用されていたんですね。

で、それも使っていて不都合があるっていうことで直そうとなったんですけど、その当時の状況では直すのが難しかった。直してもリリースができなかったんです。

―直したものを一斉に配信できなかったんですか。

簡単に言うと、当時は各病院にちょっとずつカスタマイズしたバージョンが入ってたんです。ひとつの病院用のプログラムコードを修正するんだけども、そこを直してしまうと、今度はほかの病院で不具合が出てしまうという状況でした。それはIT業界からすると、極めて現代的ではないので、普通のやり方を持ち込んだんです。ソースコードは一元管理するとか、常にボタン一発でリリースできる状態に維持しておくとか、っていう当たり前のことをまずは導入していきました。

―そうして新しく作ったのがAloeですか。

はい、そこも今時の開発手法で取り組んでます。昔ながらの開発スタイルは「ウォーターフォール開発」って言うんですが、まずどういうソフトウェアが欲しいかっていう要件を決めて、それを満たす設計図を書きます。それがOKであれば、コードを書いてリリースしますと。だけどリリースされるまで2、3年かかることもザラなんです。

―その間で状況も変わりますもんね。

それもあるし、紙に書いた設計だけでは、実際のことは何もわからないわけです。今は、実際動くものを作り続ける「アジャイル開発」っていうやり方、その中でも「スクラム」っていう手法を取り入れています。2週間ごとに新しいバージョンを出して、まず動かしてみる。そのうえで「ここが良かった、良くなかった」っていう検証を繰り返しながら、より良いものを作っていっています。

―常に動かしながら、フィードバックを繰り返していくわけですね。

そのための会議を2週間ごとにやっています。世間的に最新な手法ということではないんですけど、電子カルテに取り入れているのは珍しいかもしれないですね。

 


 
 

病院の規模にフィットすることが、自社開発の大きなメリット

―電子カルテを自社開発する良さっていうのはどういうところにあるんでしょうか。

まずは、ちょうど良いものが作れることですね。グループでたくさん病院があるけれど、業態は基本的に同じだったり近かったり、規模も同じくらいのものが多いじゃないですか。病床200床未満の慢性期や回復期の病院っていうところにフォーカスした電子カルテって、世の中に無いんですよ。

―既製品ではフィットするものがなかなか無いと。

それと、Aloeは「我々の病院はこういう風に仕事をしましょう」っていう形をシステムパッケージに落とし込んだものなので、それを入れてうまく仕事ができるっていうことが、業務が標準化できてるっていう指標になるんです。あとは、この規模だと全病院に市販のカルテを入れるとかなりの金額になるので、それに比べると安いっていうのもあります。

―自社開発のものをアップデートし続けていれば、追加の費用も抑えられますもんね。

ハードウェアは老朽化するから買い換えるんだけど、ソフトウェアは開発を続ける限りは古くならない。医療も福祉も、2年や3年で法律が変わるから、それをキャッチアップし続けていくためには、自社開発の方がコスト的な優位性も高くなるんです。

 
 

グループの理念に賛同
挑戦させてくれる気風もモチベーションに

―千田さんの仕事に対するモチベーションはどういうところにありますか。

全体としては、初めに言った「医療への恩返し」っていうことがあります。さらに平成医療福祉グループのやっていること、やろうとしていることの正しさを強く感じているので、発展に寄与することが、日本を良くすることにつながると考えてますね。

―やっていることの正しさというのがモチベーションであると。

賛同できる取り組みが、どこまでも広がっていくっていうのは大きいです。あとは、いろいろとやらせてくれるっていうこともあります。

―権限を持ってやらせてもらえるということですね。

それと、失敗もさせてくれるんですよ。例えば「こういう仕組みがあって、グループの課題を解消できそうです」っていう提案をしたときに、「一度あそこの病院で試してみましょう、やってダメならそのアイデアは捨てましょう」っていうことをやらせてもらえるんです。半年熟考してから試して成功するよりは、1カ月練って試して、3カ月で別のアイデアを試す方がここでは求められていて、それができるのもグループであることの強みですよね。

―そういう気風というか土壌があるんですね。

そう、挑戦させてくれるんですよ。それが楽しいです。

―システム事業部として目標はありますか。

まずは医療システム業界の経験が無くても理念に賛同してくれる仲間を増やしたいですね。今は我々がやりたいと思ってることに対しても、経営者や現場スタッフからの要望に対しても、ヒューマンリソースが足りていません。つぎに、その仲間を医療福祉サービスに精通したSEへ育成することです。そういうチームで、あたり前で質の高いITを提供していきたいですね。

―うちのグループに限らず、この業界は世間のスタンダードとズレていることも多いと。

医療業界はその大半が税金で成り立っているところもあるわけじゃないですか。でもこれからはもう、それだけで経営を維持できるような日本ではなくなっていくので、「一般企業として扱われてもやっていけます」っていう足腰を持たせることで医療に恩返ししたいですね。現場スタッフが、患者様・利用者様に寄り添うように、我々もITで彼らに寄り添って、結果として質の高い医療福祉サービスを提供してもらうことで、日本全体を良くしたいです。

 
 

今こそ、「自分探しの旅」に出たい

―多趣味そうな千田さんですが、今の趣味は何ですか。

趣味は焚き火です。

―焚き火! どこでやるんですか。

焚き火用の別荘があるんです。

―えーっ別荘が! 魅力はどういったところですか。

火が思った通り燃え上がるのが楽しいんです。こうやって木を組んで、ここにマッチを一本入れると、5分後に燃える、みたいなのが楽しい。

―燃えた後はどうするんですか。

あんまり興味が無い(笑)。燃え上がれば、誰か来て続きをやってくれるので。

―海外含め、いろんなところに行っているとお聞きしたんですけど。

以前は、リタイアしてから色々行こうと思ってたんだけど、病気になってからは、やりたいことは今日やろうっていう風に考え方が変わりましたね。

―やりたいことを後回しにしないようになったんですね。

だからいろいろやろうって思ってます。旅行も行くし、PTAも参加するし。

―特に今やりたいことってありますか。

インドへ自分探しに行きたいです。

―えっ、今から探しに(笑)。

今年45になるんですけど、探しに行こうかなって。どうかな、落ちてるかな自分(笑)。

―見つかるといいですね(笑)。行った中で特に印象深い場所はどこですか。

カンボジアのアンコールワットは良かったです。アンコールワット自体より、周りのアンコール遺跡群が良かった。あと馬に乗って遺跡を回れるんですよ。それも良かったし、人も街も良くて、また行きたいですね。

―今後の個人的な目標はありますか。

目標としては、グループをクビになることですね。

―えっと、それはどういう…(笑)。

「もう千田いらない」って言われるまでやりきるっていうことです。

―それくらい、やるべきことを全てやるっていうことですか。

はい、「もうお前にやってもらうことはないわ」って言ってもらえることが目標ですね。

 


 
 

 
 
 


profile


システム事業部 
システム事業部長 千田 丈慈(せんだ じょうじ)

【出身】東京都中野区
【職種】システムエンジニア
【趣味】焚き火
【好きな食べ物】タン塩
【好きなミュージシャン】Fatboy Slim(ビッグビートに影響を受けた)