お知らせ

第11回 献立・調理コンクールを開催。淀川暖気の苑と世田谷記念病院が1位に輝きました!

 

平成医療福祉グループでは第11回目の「献立・調理コンクール」を開催しました。2022年10月7日(金)に「ふたば学舎(兵庫県神戸市)」にて関西・中四国エリアの決勝、同年10月26日(水)に「府中市市民活動センタープラッツ(東京都府中市)」にて関東エリアの決勝が行われ、それぞれ、淀川暖気の苑(大阪府大阪市)、世田谷記念病院(東京都世田谷区)が1位となりました。

「まごわやさしい」をテーマに
健康的でおいしい献立・調理の頂点を目指す

当グループでは、グループの献立・調理の質向上を目的に、各病院・施設の代表者が、テーマに沿ってオリジナルの献立で腕を競う「献立・調理コンクール」を毎年開催しています。

 

今年のテーマは「まごわやさしい」を取り入れた献立。「まごわやさしい」とは、日本の伝統的な食材である、まめ、ごま、わかめ、やさい、さかな、しいたけ、いも、の頭文字を合わせた合言葉です。

健康的な食生活を送るための献立を全国の施設が考案し、まずは書類審査による予選を実施。関西・関東のそれぞれの上位5施設(計10施設)が、エリアごとの1位を決める決勝に進みました。

 

決勝の様子

 

決勝は、関西・関東の各会場で開催。全組が同時にその場で、審査員を目の前にして調理を実施します。

審査は、各料理の味はもちろんのこと、見た目(盛り付け)の良さや、調理工程における手際、さらに試食前のプレゼンテーションなども含めて評価を行います。

 

なお、両会場で2位までに入賞した病院・施設のメニューは、グループで献立として採用され、全国のグループ病院・施設で食事として提供されます。そのため、実際に現場で大量調理ができるか、食材の調達が容易であるか、といった観点も審査のポイントとなります。

 

 

 

関西・中四国エリア:淀川暖気の苑、関東エリア:世田谷記念病院が1位を獲得

審査の結果、関西・中四国エリアは淀川暖気の苑(大阪府大阪市)、関東エリアは世田谷記念病院(東京都世田谷区)が1位となりました。

 

淀川暖気の苑は、質素なイメージを持たれがちな「まごわやさしい」の食事に新解釈を加え、「令和版『まごわやさしい』冬の健康ランチ」と題した、華やかな見た目と食べ応えのある内容で高評価を獲得。

淀川暖気の苑 管理栄養士の細川さんは「特に、メインの『ゆず香るごま味噌豆乳鍋』では、いかに季節感を取り入れつつ、おいしく仕上げられるかを考えて、試行錯誤しました」と話し、調理師の内木場さんは「もずくのかき揚げをきれいに揚げることに難航し、練習を繰り返しました」と話しました。ともに施設の先輩から受けたアドバイスをもとに試作を重ね、良い結果を出せたと喜びを語りました。

 

 

世田谷記念病院は、高齢者に人気が高いいなりずしをメインとした「さわやかいなり定食」を考案。患者さんの食欲が湧くようにと、見た目も大事にした、彩り豊かな具材をのせたオープンいなりずしが審査員の目を引いていました。

世田谷記念病院 管理栄養士の鹿野さんは「現場では、あまり食事を食べない患者さんもいらっしゃいますが、自分たちが考えた献立で食欲を出してもらえたらいいなと思っています」と話し、調理師の佐藤さんは「いなりずしの具材は、どれも調理工程が繊細なので苦労しました。施設の先輩方に教わったり、日々練習を重ねたりして励みました。この経験を現場でも生かしたいと思います」と話しました。

 

 

例年に引き続き、今回のコンクールでも全体の進行と運営責任者を務めた、平成医療福祉グループ 栄養部部長代理の堤 亮介さんに、今コンクールについて総評を伺いました。

 

〈栄養部 堤 亮介部長代理 総括〉

今回のコンクールでは、献立やプレゼンテーションの内容において、関西は「正統派」、関東は「個性派」よりの印象を受け、エリアごとに特色がやや異なっていたのは興味深かったです。

また、献立・調理コンクールは、年々レベルが上がっており、前年度の受賞者の内容や審査員の評価を踏まえて、勉強して臨んで来ている人が多いように思われました。調理を終えた後の出場者のコメントも、「患者さんや利用者さんにどうやったらおいしく食べてもらえるか」という現場に向けた想いを話す人が増えていることも、心強く思いました。

みなさんが試行錯誤して考案した献立や、磨いてきた調理の腕を、現場に反映させるところまでがコンクールだと思います。こうした機会で得る経験を生かして、より栄養部全体の質をみんなで高めていき、患者さん・利用者さんの栄養面の向上を目指しましょう。

2022年 献立・調理コンクール 結果

各エリアにおける結果は、以下の通りです。

両会場で2位までに入賞した献立が、実際に食事としてグループ病院・施設で提供されます。

 

 

【関西・中四国エリア】

 

1位 淀川暖気の苑(大阪府大阪市)

「令和版『まごわやさしい』冬の健康ランチ」

 

 

 

〈コメント〉

「色鮮やかな食材を献立全体に使用し、ゆず・しょうが・大葉などの香りや野菜の歯応え、雑穀の食感など五感で楽しめるものを目指しました。また、冬は体が冷えやすいため、免疫力を高める食材をたっぷり使用して、心身ともに健康になっていただきたいという願いを込めて作りました」

 

 

2位 山口平成病院(山口県岩国市)

「和食と洋食のオリジナルブレンド」

 

 

 

〈コメント〉

「子どもの食事に取り入れたい食材として、代表例に挙げられることが多い『まごわやさしい』。日本の伝統的な食材を使うため、和食が連想されがちですが、あえて洋食と組み合わせることで、懐かしさを感じさせつつも新鮮味のある献立に仕上げました。コロナ禍で旅行や外食の機会が減った今、私たちの考案した献立で、いつもとひと味違うひとときを過ごしていただけたらいいなと、思います」

 

 

3位 ヴィラ羽ノ浦(徳島県阿南市)

「お腹も心も満たされる! 『まごわやさしい』目にも美しい御膳」

 

 

 

〈コメント〉

「飽食の現代において、忘れがちになっている健康的な食事の合言葉『まごわやさしい』。体は食べたものからできていると言われるほど、食事が体に及ぼす影響は大きいです。この理念を大事にして一汁三菜を基本とした献立を考案。しば漬けの赤、枝豆の緑、かぼちゃの黄色と、味だけではなく見た目も楽しめる内容にしました」

 

 

4位 平成デイサービスセンター平田(山口県岩国市)

「『まごわやさしい』で秋の味覚を満喫」

 

 

 

5位 メディス 岩国支店(山口県岩国市)

「五感で味わう『やさしいこんだて』」

 

 

 

【関東エリア】

1位 世田谷記念病院(東京都世田谷区)

「さわやかいなり定食」

 

 

 

〈コメント〉

「患者さんの食欲が出にくい時でも、栄養を摂りやすくするために次の3点に力を入れた献立としました。1点目はひと目で食欲を湧かせる華やかさと彩り。2点目は、二つの小鉢で異なる爽やかな味わいを提供すること。一味大根おろしを使ったものと、レモンを加えたクリームチーズソースを添えたものを用意しました。そして3点目はバラエティー豊かな味わいを楽しんでもらうこと。さまざまな具材をのせたオープンいなりずしでご提供します」

 

 

2位 藤香苑(東京都西多摩郡)

「まごわやさしいかみかみ献立」

 

 

 

〈コメント〉

「『まごわやさしい』の食材を使いつつ、しっかりとかんで食べることをテーマに献立を考えました。よくかむことは、胃腸の働きを活発にするなど体に良い効果がありますが、現代の日本人はかむ時間が減っていると言われています。そこで、野菜の皮を残し、食材の大きさや加熱時間に注意をはらって、食感を楽しみながらしっかりとかめる内容としました。また、プレゼンテーションにも力を入れ、『栄養』を楽しく伝えられるよう工夫しました」

 

 

3位 ヴィラ都築(神奈川県横浜市)

「和洋折衷おばんざい」

 

 

 

〈コメント〉

「私たちの施設では、栄養士から『まごわやさしい』のレクチャーを受けて、各々が献立案を持ち寄り選考会を開きました。選ばれた『和洋折衷おばんざい』は、一見すると優しい家庭的な定食ですが、食すれば洋食の要素が随所に感じられる、驚きと楽しみにあふれた献立です。爽やかさと香気で食欲を喚起させ、うま味を効かせて飽きのこない味となるように工夫し、食後の満足感を追求しました」

 

 

4位 平成横浜病院(神奈川県横浜市)

「やさしい和洋御膳」

 

 

 

同率4位 緑成会整育園(東京都小平市)

「~まごわやさしい地中海料理~」

 

 

次回の献立・調理コンクールおよび、当グループ栄養部の今後の取り組みに、ぜひご期待ください!