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ひとプロジェクト【第4回・前編】泉佐野優人会病院/柑本 光彦さん

ひとプロジェクト 柑本さん
ひとプロジェクト 柑本さん

患者さん、利用者さん、職員の「食べる」を支え続ける調理師

第4回目は、病院の食を支える調理師として働く、泉佐野優人会病院の柑本光彦さんです。患者さんや職員の食事作りから厨房の取りまとめ役。担当する料理のレパートリーにも注目です! 

憧れていなかった職業が
好きになっていった

―ご出身はどちらですか。

和歌山です。今も和歌山県に住んでいて、気軽に山に登れてしまうぐらい、山に囲まれた自然豊かな場所です。

―山へはよく行かれるんですか。

昔よりも機会は減りましたが、山へサイクリングに行くことはありますね。昔はトライアスロンをしていましたし、運動するのが好きなんですよ。

―調理師になろうと思ったのはいつ頃ですか。

高校生の時に、漠然と。すごくなりたくて目指した職業というよりも、消去法みたいにして決めました。料理が好きな自覚もなく、本当に軽い気持ちでしたね。

―ほかの職業に魅力を感じることもありませんでしたか。

なかったんですよ。そんなに好きだと思わなかったんですけど、ほかの仕事にもあまり興味が湧かなくて。ただ、この仕事を続けていくうちに好きになってきて、今はこれしかできないと思っているぐらいです。

―よかったです、今は料理がお好きなんですね(笑)。

昔よりはかなり(笑)。ここで、患者さんと職員の食事を作っていても、休みの日に自分が食べる分ぐらいのものは作りますし、飽きないというか苦に思わなくなりました。昔よりも料理に工夫できることや簡単に活かせる術を覚えてきたから、ということもありますが。

 


 
 

畑違いで得た技術こそ、
今の強み

―ずっと調理師をされてきたんですか。

そうですね。何回か転職してますけど、調理師ばかりです。ここの勤務年数は10年を過ぎました。

―前職ではどんなジャンルの料理をされていましたか。

調理師になった時は、洋食が作りたくて勉強してました。その後は洋菓子製造でパティシエの技術を培って、さらにパン屋さんでも働いていたので、パン作りの基礎はそこで身につきました。

―病院での食事提供に、経験は役立っていますか。

そうですね、活かせていると思います。

―例えばどんなものを作られていますか。

ちょうど今日はデイケアでお誕生日会があるので、ケーキを作りました。

―ぜひ、見せてほしいです!

今、冷蔵庫で冷やしているので、取ってきますね。

―チョコレートのバラがすごいですね! これはどこに登場するんですか。

バラは、ちょっと特別な感じで作ってみました。月に2回、デイケアと小規模施設で開いている誕生日会で食べるケーキです。タイミングよく、今日がその日だったんですよ。今日は、利用者さんが30人ほどいるので、全員で食べ切れるサイズを作りました。毎月あるので、ケーキの種類とか盛り付けのフルーツを変えながら作っています。


―ひとりで30人分のケーキ作り! 大変そうな作業ですね。

そうでもないですよ。当日に全てを作る時間はないので、スポンジだけ前日に焼いてれば、仕上げは当日でも十分間に合います。最近は、そろそろ下のスタッフに任せてみようかな、と思うようになりました。

―職員さんもびっくりされませんか。

毎月作っているので、そんなに驚かれることはないですね。せっかくなので、あとでちょっと行ってみましょうか。

 


 
 
 

「できる範囲で手作りする」
という方針が魅力

―ほかにもオリジナルの手作りメニューはありますか。

デイケアと小規模施設ではデザートバイキングがあるので、バイキング用のデザートを作ります。パフェみたいに1人ずつ盛り付けされているかわいいサイズのものも作りますし、要望にはできる範囲で答えています。

―料理は全部、その日に作っているんですか。

そうですね、基本的には当日に調理をしています。ただ、提供する時間が決まっているので、時間がかかるものは事前に準備してることもあります。

―週に1度、郷土料理メニューを提供されていますよね。

そうですね、食事に関しては、グループ共通なので、この病院だけが全部作っているわけではなく、どの病院も同じように作っています。日本だけじゃなくて、海外の郷土料理も提供しています。

―印象に残っている出来事などはありますか。

インドネシア料理を提供したときに、EPAの職員(※)の分だけ、少し辛く味付けしてあげたことがあって。ちょっとでも現地っぽい味にしたかったんですが、調味料がやっぱり違うのでなかなかうまく仕上がらなくて、それでも「おいしかった」って言ってもらえたのは印象に残ってますね。

※EPA(Economic Partnership Agreement=経済連携協定)のもと、当グループではインドネシア・フィリピン・ベトナムから看護師・介護士の研修生を受け入れています。
 
 

原動力は、
「この仕事しかない」という気持ち

―毎日料理をする中で、食べ残しについてはどのように感じていますか。

うーん、難しいですね。病気で入院されていて、食欲や味覚が変わったり体調もあるので、仕方ないかなと思っていますが、完食していただけるように栄養士がミールラウンドを行い、その内容を共有してもらって調理師と食事内容を考える、という取り組みを栄養部全体で行なっているんです。職員の場合は、自分たちで取る分量を調整できるので、売り切れるほうが早いんですよね。特に肉類だったりすると(笑)。

―わかりやすいですね(笑)。料理を作るうえで、原動力になっていることはありますか。

やっぱり料理が好きなことですね。というよりも、料理しかできないんですよね。もうほかの職業なんて今からは無理だと思ってます。自分にはこれしかない、って思えているから続けていけるんですね。

 
 

次回:調理コンクールで優勝、作る立場と支援する立場に

 

  後編はこちら >> 

 
 

profile


泉佐野優人会病院 調理師 
課長 柑本 光彦(こうじもと みつひこ)

【出身】和歌山県
【趣味】山登り、トライアスロン、体を動かすこと
【好きな食べ物】カレー

 

病院情報



https://yujinkai.or.jp

医療法人 康生会 
泉佐野優人会病院

大阪府泉佐野市湊4丁目5-17

内科・循環器内科・呼吸器内科・消化器内科・外科・整形外科・肛門科・リハビリテーション科・放射線科

昭和57年に開設。地域に根ざしながら、特にこの10年は療養型病院として、急性期病院からの患者さんを積極的に受け入れ良質な医療の提供とリハビリテーションを行っています。患者さんの早期在宅復帰、および介護老人保健施設・特別養護老人ホーム等への退院を目指します。