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ひとプロジェクト 第51回【後編】ケアホーム三浦 管理栄養士/角田 幸恵さん

    • 管理栄養士は利用者さんと積極的に関わることが大切
      作っている人の「顔が見える厨房」づくりを進めます

    • ケアホーム三浦の管理栄養士、角田幸恵さんの後編です。後編では、現在の角田さんのお仕事を中心にお話をお聞きしました。コロナ禍で需要が高まる「食レク」や、日頃大切にしているお仕事のモットーや仕事の醍醐味、角田さんが取り組む「スタッフが辞めない職場」「顔が見える厨房」づくりについても伺っています。3人の子どものママとして、夢のお話も飛び出す後編、ぜひご覧ください!

  • 利用者さんへの声かけも
    管理栄養士の大事な仕事

    ちなみに管理栄養士さんは今は何人いますか。

    3人います。私が産休に入ってる間に1人入ってくれて、今は1人1フロアずつ担当しています。産休中はグループ栄養部からヘルプの方も来てくれて、そういうところはグループの強みですね。

    普段は具体的にどんな仕事をされていますか。

    私は1階に入所されている方を担当しているんですが、主にはモニタリング、ミールラウンド、プラン作成を行っています。

    「モニタリング」というのはどんな業務ですか。

    利用者さん一人ひとりに対して立てた栄養プランに対して、実際の食事摂取量や体重の増減をチェックする業務ですね。基本的にプランは3カ月に一度更新で、状態が良い方はそのペースで問題ないんですが、ちょっとリスクがある方は1カ月、さらにリスクが高い方は2週間単位で見直す必要があるので、モニタリングして確認していきます。

    なるほど、定期的に見直しが必要なんですね。

    そのほかは日々納品があるのでそれがスムーズにできるように準備もして。厨房のここが不備があると聞いたら営繕さんに取り次いで、修理をお願いするとか、調整役も多いです。その日の献立で、利用者さんや介護士さんから要望があった場合、必要があればグループの献立係に連絡をしたり。

    ミールラウンドということは、利用者さんのところも回られるんですね。

    もちろん行きます。大体お昼がメインになりますね。朝9時に朝礼があるんですけど、申し送りで「この利用者さんが夕飯を食べられてない」とか「水分がこれだけしか摂れてない」といった情報が共有されるので、そういう方の元にお昼に行って、ご本人や介護士さんからお話を聞いてます。

    食べる様子も見られて。

    「どうですか〜。お変わりないですか?」って聞きながら見てますね。逆に利用者さんや介護士さんからも声かけて相談されることもありますよ。必要であれば持ち帰って、調理師さんと話してます。

    この仕事を始めた頃から、利用者さんとコミュニケーションを取ることは抵抗なくできましたか。

    老健で仕事を始めた10年前は恥ずかしがり屋でした(笑)。最初はどうやって利用者さんとお話すればいいかわからなかったですし、遠くで見守っていましたね。今は時間が空いたらなるべく利用者さんのところに行くようにしています。

    極端な話、デスクだけで仕事を済まそうと思えばできるとも言えますか。

    ただやるだけならそれでもできちゃいます。現場に電話して「どう?」って(笑)。でもやっぱり実際に利用者さんを見て感じることがありますし、行ったからこそ聞ける情報もありますから。機械的にやろうと思えばできるんでしょうけど、私はなるべく現場に行って話を聞いて、っていうスタイルでいようかなって思っています。

    角田さん以外の管理栄養士さんお2人もそんな感じですか。

    一番新しく入ってきた管理栄養士さんは私と同じで委託会社からの転職なんですけど、まだちょっと恥ずかしがってる感じがあって、そこも10年前の私と同じだなって(笑)。

    醍醐味は、多職種で協力しながら
    利用者さんを良くしていくこと

    管理栄養士さんはいろんなところで働く機会があると思いますけど、こういった介護施設で働くことは、どんな魅力ややりがいがあると思いますか。

    やっぱり1人でできる仕事じゃないので、いろんな職種がいて、初めて利用者さんが良くなったり、回復に向かったり、っていうのが、目に見えてわかる仕事だと思っています。ここは利用者さんが生活をしていく場なので、時間をかけて関わっていけますし、他職種と協力して、同じ方向に向かって支援していける楽しさは感じています。

    良い状態で暮らしてもらうために、みんなで協力していくところに醍醐味があるんですね。

    最近、全然ご飯を食べられなくなってしまった利用者さんがいて。もともと嚥下機能が良くなくて、ソフトEの食事だったんですが、それでも本当に食べられなくなって、体重も減ってしまっていました。

    食事ができないことで、目に見えて状態が悪くなってしまっていたと。

    みんなで話し合ったんですが、看護師さんが「じゃあもう、3食とも食事介助にしましょう」って提案してくれて。それで介護士さんが食事介助を毎食してくれているうちに、げっそりしていた頬が、みるみる戻ってきたんです。

    すごい! それまでは自分で食べるが辛かったんですかね。

    食べることに疲れてしまって、食べようとしても食べこぼしてほとんど食べられてなかったんです。薬とかに頼る解決方法じゃなく、出された食事をちゃんと食べるっていうことで解決できて、それもみんなの協力でっていうところが嬉しかったです。

    コロナ禍でもユニットごとで楽しめる 「食レク」が大好評

    ケアホーム三浦は関東のグループ施設のなかではケーキバイキングが有名で、グループのスタッフも見学に来ると伺っています。

    元パティシエが厨房にいるので、その技術とか知識が大きいと思います。今年は施設の秋祭りができないので、ユニットごとでおやつバイキングを、秋祭りの一環としてやっていますよ。

    大々的にお祭りができない代わりなんですね。

    それと、今まではレクリエーションの時間に、歌や演奏などを披露してくれる外部のボランティアさんがいらしてたんですが、それもできなくなってしまったので、食レク(食事にまつわるレクリエーション)の実施が増えています。

    なるほど、施設内のスタッフさんでできるレクリエーションということで、そういった食レクの需要が高まっていると。

    おやつや食事系のレクリエーションは喜んでもらいやすいです。それプラス、誕生日の利用者さんがいるユニットにはムースケーキを作るっていうのをやっています。季節に応じたケーキを調理師さんが考えて、スポンジから焼いて、毎回違う味になるように作っているんですよ。

    さすが、凝っていますね〜。

    あと、施設の中庭に農園があって、そこで取れた野菜も食レクに使っています。モロッコインゲンもデザートにしちゃうんですよ。中庭で育てた野菜って言うと、利用者さんもより興味が湧くじゃないですか。バジルやトマトも育ててるので、それを使ってユニットでピザトーストを焼いて提供するとか、いろいろと今はやっています。みなさんからの反応もいいですよ。

    好評なんですね! 食レク自体は、どなたが企画されるんですか。

    主にリハビリのスタッフさんが企画されて、私たちに話が来ますね。それを受けて、調理師さんとも調整をして、実際にどう進めるか、細かい手順書のようなものを管理栄養士が進めて、実施してもらっています。

    いつもの食事に加えてレクリエーション用の食事も作ることになるので、そのための作業時間や手順もしっかり準備しないといけないわけですね。

    そこで、誰がどうやるかっていう調整役をしています。厨房との架け橋ですね。

    作っている人の顔が見えることの大切さ
    みんなが長く働ける職場にしたい

    介護施設で働くにはどんなことが大切だと思いますか。

    相手を思いやる気持ちですね。自分よがりじゃなくて、みんながいるから仕事が回っていくものなので、本当に一人ひとりを大切に思いながら取り組む必要があるなと思います。

    今までの仕事の話を聞いても、うまく連携していかないと回らないですもんね。

    調理師さんがいても、パートさんがいなかったら、できたものをよそえないですし、調理師さんがいなかったらもちろんご飯が作れないですし。

    お仕事の目標はありますか。

    なるべく誰も辞めない、さらに風通しのいい職場を目指したいです。

    やっぱり長く働いている方がいることが、施設にとっても利用者さんにとってもいいわけですもんね。

    頻繁に入れ替わりがあると、一から仕事を何度も教えて、同じようなミスが増える可能性も高いですから。長く勤めてもらったら、流れも歴史もわかりますから。

    結果、利用者さんのためにもサービスの質が向上しますね。何か具体的にやられていることはありますか。

    こういう介護施設で働くのが初めての調理師さんもいるので、そういう人には時間をもらって、施設内をいろいろ見てもらったりしてますよ。「こういう方が生活されて、こうやって食べてるから、こんなことに気をつけて欲しいんです」ってお話をしながら。

    角田さん自身が、厨房にずっといて、誰に食事を作っているのかわからなかった、という経験も影響しているんでしょうか。

    やっぱりそこをわかってもらいたいんですね。顔を思い浮かべながら作った方が、おいしいものができると思いますし、そういう気持ちで作ってほしいなって。利用者さんや、厨房の外のスタッフにも顔を覚えてもらった方がいいですし。だから「交流のために行くよ!」って言って連れて行ってます(笑)。

    いつか子どもと一緒に
    ランチに行けるのが夢

    お休みはどう過ごしてますか。お子さんが3人もいるとやっぱりそちらが中心になりそうですね。

    こういう時期なのであまりいろいろなところには行けてないんですけど、海は近いので、散歩しながら磯遊びさせたりしてますね。あとはご飯を作るのがすごく好きでストレス発散になるので、子どもをおじいちゃんおばあちゃんか、旦那さんに見てもらって作ってます。

    料理でストレス発散になるってとてもいいですね〜。

    大したものを作るわけじゃないですけど(笑)。日々の生活において発散になっていますね。

    お子さんが3人もいたら賑やかでしょうね。ちなみにお子さんはおいくつですか。

    6歳、4歳の女の子と、1歳の男の子がいて、いつも賑やかで楽しいです。子どもが元気なのが一番ですね。それだけで安心して働けますし。

    趣味はありますか。

    料理を作るのと、ドラマを見るのが好きですね。

    どんなものを見るんですか。

    普通にテレビでやってる連続ドラマですね。最近だと『私の家政婦ナギサさん』とか『MIU404』とか。録画しておいたやつを、子どもが寝た後にアイスを食べながら見て。それも気分転換になりますし、毎日の楽しみですね。

    いい時間ですね〜。仕事以外で今後目標はありますか。

    育児の手が少し離れたら、自分の時間を作りたいですね。前もちょっとやってたんですけど、ヨガをまた始めるとか。あと今はあんまり行けていないですけど、おいしいものを食べに行くのも好きなので。もうちょっと子どもが大きくなったら、一緒にランチに行くっていうのも夢ですね。

    一緒に行けたら楽しそうですよね。やっぱりお仕事柄、おいしいものを食べに行くのも好きなんですか。

    そうですね。「献立・調理コンクール(※)」のアイデアを考えるときに参考にする時もあります。
    ※毎年10月頃、グループの献立・調理の質向上を目的に、各病院・施設の代表者がオリジナルの献立で腕を競うコンクール。実際の様子はグループのInstagramでご覧いただけます。

    毎年開催しているコンクールですが、今年は例年のように集まって、実際に調理をしながらの決勝開催ができなくなってしまって残念ですね。

    本当ですよね〜。でも書類審査だけでも開催されるので、ケアホーム三浦でもがんばって考えて出しました。

    レシピのテーマが「コロナに負けるな!明るい気分になれる献立」でしたよね。どんなものを出されたんですか。

    みんなに楽しんでもらえるようなものにしようということで、調理師さんが「おにぎらず」を提案してくれて、予選は無事に突破できました。

    おめでとうございます! このインタビューが公開された後には優勝が決まっているそうなので、結果が楽しみですね。

    そうですね!

  • 前編を読む

    profile

    ケアホーム三浦 管理栄養士 角田 幸恵(つのだ さちえ)

    【出身】茨城県結城市
    【職種】管理栄養士
    【趣味】料理、ドラマ鑑賞
    【好きな食べ物】チーズハンバーグ、チョコレート
    【好きな調理器具】大きなスパテラ

    施設情報

    社会福祉法人 せいざん福祉会 介護老人福祉施設 ケアホーム三浦

    神奈川県三浦市初声町下宮田3516-1

    2017年6月に開設。三浦市の穏やかな自然に囲まれた環境のなか、特別養護老人ホームを中心に、ショートステイ、デイサービス、居宅介護支援事業所のサービスを提供します。光を多く取り入れた明るい施設で、家庭的な雰囲気を大切にしながら、一人ひとりに合わせたきめ細やかな介護を提供いたします。