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ひとプロジェクト 第50回【後編】平成扇病院 副院長/児玉 圭司先生

    • 目指すは「家に帰れる医療療養病棟」
      患者さんに敬意を持ちながら、目標に向かってひたすら走ります

    • 平成扇病院の副院長、児玉圭司先生の後編です。後編では当グループに入職して以降のキャリアや、お仕事の目標などを伺っています。実際に現場で感じたリハビリテーションの重要性や、平成扇病院で目指す「家に帰れる医療療養病棟」の取り組みなどについてお話しいただきました。先生が思わず笑顔になる、愛犬とのプライベート話も飛び出す後編、ぜひご覧ください!

  • 世田谷記念病院で
    リハビリテーションの重要性を認識

    このグループに移ってこられたのはどんな経緯でしたか。

    今までずっと、大学かセンターで働いてきたので、そうではない街中にある、いわゆる市中病院も経験してみよう、と思いました。とりあえず街の病院に出てみようっていう感じでしたね。そこで、ご縁があって、世田谷記念病院に入職することになりました。

    特に「急性期医療から慢性期医療に」という意識ではなかったと。

    「環境を変えてみよう」という風にしか考えてなかったですね。自分としてはずっと新しいことしかやってなかったので、よっぽどの変化でなければ対応できるだろうと。結局、患者さんを良くしよう、という原則は一緒ですから。

    実際に移ってみてどのような印象でしたか。

    担当した地域包括ケア病棟は穏やかでしたね。システムもできあがっていましたし、患者さんも症状が落ち着いている人が多くて、割とゆったりしていた気がします。

    では、じっくり診て対応できていた環境だったと。

    そこで、もうちょっと忙しい病棟に変えようと思ったんですね。

    忙しいというのはどんなニュアンスですか。

    以前は診ていなかった、重症の患者さんも受け入れるようになりました。さらに、近隣の開業医の先生たちから、在宅療養中に状態が悪化した患者さんの受け入れもなるべく行うようにしていきました。

    より間口を広げていかれたわけですね。

    その結果、忙しい病棟になったと(笑)。くわしく確認してみないとわかりませんが、稼働状況は良くなったのではないかなと思います。都内全体であってもベッド数は限られているので、早く治さないと次の方が待っているわけです。そこで、本来2カ月かかるところを1カ月で治したら、倍の数の患者さんを良くできるわけですから。そうしたことも意識して取り組みましたね。

    ベッドの回転を良くしようと。

    もちろん、ただ早くするということではなくて、しっかり良くして、決められた目標まで早く到達できるようにということですね。そこは常に意識していました。

    このグループに移って、リハビリ職種との関わりも増えたのではないかと思いますが、実際どのように感じましたか。

    一般的な大学病院と比べて、リハビリ職種が活躍する機会が圧倒的に多いですね。最初はどんな効果があるかわかっていなかったんですが、やっぱりリハビリが介入した方が、良くなる可能性が高いなと思いました。あるのとないのでは全然違うと思いますね。

    地域包括ケア病棟でのリハビリテーションはどんなものになるんですか。

    多かったのは、移動、排泄などADL(日常生活動作)の改善ですね。トイレに行って、自分でご飯を食べるとか。そこを目標に行うことが多いですね。実際それで改善も早かったと思います。それは、このグループに移ってみないとわからないことでした。

    いよいよ平成扇病院へ
    地域のニーズに応える病棟に

    現在在籍している、平成扇病院に移られたのはどういった経緯でしたか。

    世田谷記念病院が全面改修することになって、一旦こちらに出向という形で移っていました。もともとここには精神科の病床があったんですが、それが機能転換して医療療養病棟になるということで、立ち上げをやってほしいと、依頼を受けたんです。

    立ち上げの依頼についてはどう思われましたか。

    ここに至るまでいろいろ立ち上げに携わってきましたし、とにかく1から仕事しやすく作れるっていうことは思いましたね。

    立ち上げには慣れていたと。精神科病棟がなくなったったのは、全国的に精神科の病床を減らすという背景があってのことでしょうか。

    僕が移ってきた時には既に精神科の病床がなくなっていたので、実はくわしい経緯は知らなかったんですが、実際に医療療養病棟がスタートしてみると、コロナ禍の時期でも早い段階でベッドが埋まったので、そう考えると療養に対する地域のニーズはあったんでしょうね。

    実際に入院される方は、どういったところから来られることが多いのですか。

    圧倒的に急性期病院からが多いですね。

    みなさん、ある程度治療を終えられた状態で来られると。

    終わっている方もいますけど、あまり終わってない状態の方もいらっしゃいますね。できる限り受け入れるようにして、もし治療の途中であっても「あとはこっちで仕上げます」ということで。

    では世田谷記念病院でやられていたように、ある程度重めの方も受け入れて。やはり同じ足立区内の病院からの受け入れが多いですか。

    足立区はもちろん、渋谷区や埼玉県の病院からも来られて、意外と範囲が広いですね。

    広範囲に渡るのはどんな理由があるのでしょうか。

    医療療養病棟だけど、重症の方を受け入れているというところですね。意外とほかにないのかもしれません。

    やはりそういう状態の患者さんは、受け入れ先が少なくなってしまうんですか。

    絞られてしまうことも多いようです。この近辺に限らず求められていると思いますし、だからこそ、続けていきたいですね。

    ちなみに現在、医師も募集されていると伺いました(※)。

    一緒に取り組んでいただける方をお待ちしています。募集については太字にしておいてほしいです(笑)。

    ※平成扇病院では医師募集しています。くわしくはこちらをご覧ください。

    求人についてもアピールしていきたいと(笑)。どんな方が活躍できる場所だと思いますか。

    例えば、総合診療内科を経験されているとか、幅広い分野に知見があると活躍しやすいですね。あとは、新しいことをするのに興味ある人ですね。見たことがない病気はたくさんありますから、それを怖がらずに、どういう病態かしっかり考えられる方がいいと思います。

    よく、慢性期医療や療養と聞くと、言葉のイメージとしてのんびりしているという印象を持つ方も多そうですが。

    それはここには当てはまらないと思いますね(笑)。

    目指すのは「家に帰れる医療療養病棟」

    ちなみに副院長としてはどういった業務をされていますか。

    実際今は医療療養病棟60床を担当していますので、運営よりも臨床業務に携わる時間が長いですね。運営や管理は、佐野院長にお任せしている部分が大きいです。

    がん治療や救急などに携わってきた先生ですが、今はどんなことをモチベーションにお仕事されていますか。

    食べられなかった方が食べられるようになる、歩けなかった方が歩けるようになる、医療療養病棟であっても、状態を良くして帰すっていうことは常に目標にしています。患者さんが、なるべくご自身でできる範囲のことができて、足りない分だけ手伝ってもらうくらいで済むくらいの状態ですね。それを実現させようとすると、いろいろ忙しくはなるんだけど、やっぱり必要なことですから。

    良くなって帰ってもらおうと思うと、当然時間や手はかける必要があると。

    そうしたことで必ず良くなる、とは限らないですが、少なくとも、そうしないと良くなるものもなりません。入院しているご本人もご家族も、家に帰れるなら帰りたいと思う方が多いですし、それは叶えられるように努力しないといけないですよね。

    今後、病院としてはどういう役割を担っていくのが責務だと思いますか。

    難しい話ですね(笑)。でも、できるだけエッジが効いた病院にできたらいいなとは思っています。「これならここしかない」っていう、独自性を持った病院です。今はその独自性を作っている最中なんだと思います。

    それを医療療養病棟と回復期リハビリテーション病棟の2つで実現させると。

    それぞれ性格は変わってくるだろうけど、独自色を強くしていって。それが医療療養病棟で言うと、家に帰れる病棟に、ということですね。

    先ほどもお話がありましたけど、そういった性格の医療療養病棟がなかなかないと。

    まだ目立たないけど、いずれは増えていくと思います。その前に、先陣を切って取り組んでいるところです。動き出して半年程度ですので、まだまだ途中ですね。

    実際に形になるまでは、まだ時間が必要ですか。

    それは何年もかかることかと思います。この先もきっと良い時、悪い時どちらもあるでしょうし、それを繰り返して形になっていくのかな。評価は周りがすることですし、目標を立てたら、こちらはひたすら走るだけでしょう。そのうち結果が後からついてくると思うので。

    スタッフのみんなに感謝
    患者さんには敬意を

    新たに医療療養病棟がスタートして半年経って、今はどんな感想ですか。

    スタッフがすごいがんばってくれています。それはもう感謝ですね。和気あいあいとした雰囲気ができていますし、仕事も進めやすいです。

    みなさんの努力のおかげもあって満床にもなっている。

    ちゃんと退院できる患者さんも増えていますし。ここまでいい感じには来ていると思います。

    先生が目指す病棟の実現には、どんなことが大事だと思われますか。

    いろいろあると思いますが、患者さんに尊敬の念を持って接することですね。認知症の患者さんも多いですが、しっかり敬意を払うことが大切です。忙しいとつい疎かにしがちなところなので、大事にしています。

    スタッフのみなさんにもそういうお話をされますか。

    実際は忙しくてそういうことを話す余裕はなくて…(笑)。

    先生がそういった対応を続けていけば、みなさんに自然と伝わっていくかもしれないですね。

    自慢のワンちゃんと過ごす休日

    では、プライベートのお話を伺います。お休みは取れていますか。

    今はちゃんと休めています。昔のように病院に住み込むようなことはないです(笑)。

    休日はどんなことをして過ごされていますか。

    犬のお世話ですね。トイプードルが2匹いるんです。

    ちなみにお子さんと出かけたりなどは。

    いえ、あまりなくて。高校生の娘が2人いるんですけど、そんなに言うこと聞いてくれないです(笑)。

    そういう時期なのかもしれないですね(笑)。では休みの日は犬と過ごされて。

    今は新型コロナウイルスの影響で遠出できないので、ひたすら近所で散歩していますね。

    趣味はありますか。

    それも犬のお世話ですね。ひたすらお世話。明日もトリミングに連れて行きますよ。

    本当に犬に愛情を注いでらっしゃるんですね。

    そうですね。うちの犬はね、以前『25ans(ヴァンサンカン)』っていう女性ファッション誌に載ったことがあるんですよ。もう何年も前ですけど。

    すごいですね!

    エレガントなドッグで「エレdog」っていう特集があって、セレブ犬として扱ってもらいました。それは嬉しかったですね〜。このインタビューで一番言いたかったことはそれかもしれない(笑)。

  • 前編を読む

    profile

    平成扇病院 副院長 児玉 圭司(こだま けいじ)

    【出身】徳島県羽ノ浦町
    【専門】内科
    【趣味】犬のお世話
    【好きな食べ物】蒙古タンメン中本(北極ラーメン)、フォー

    病院情報

    医療法人社団 大和会 平成扇病院

    東京都足立区扇3-26-5

    内科・リハビリテーション科・精神科

    2016年4月に開院。内科病床と精神科病床を有していましたが、地域の医療ニーズに応えるため、
    2020年4月に内科病床を中心とした、医療療養病棟60床、回復期リハビリテーション病棟60床の病院機能にリニューアル。積極的なリハビリテーションはもちろん、脳血管疾患後の高次能機能障害の神経学的な鑑別など、引き続き『こころとからだ』の両面に対して幅広いアプローチを実践、地域のみなさんが安心して在宅で生活できる後方支援病院を目指します。