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ひとプロジェクト【第1回・後編】印西総合病院/原崎 弘章先生

ひとプロジェクト 原崎先生
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アメリカでの大きな経験を胸に、
印西の地で総合病院の構築を目指す

インタビュー後編では、アメリカでのご苦労とともに、現在院長を務めている印西総合病院についてもお聞きしました。現場に携わる全ての方への、先生からの温かく優しい眼差しが感じられるお話となりました。ぜひご覧ください。

自分を受け入れてくれたアメリカ、その経験が大きな糧に

―アメリカ時代に苦労したことはありますか。

いっぱいありますけど、やっぱり向こうの病院に行っても競争なんですよね。僕は言葉のこともあって、アメリカ人の同僚の3倍は勉強しなきゃいけないなと思っていつも覚悟していました。そこが、苦労した点であり、同時に楽しみでもありましたね。

―それは知識欲というか好奇心というか。

いやあ、やっぱりアメリカ人に負けたくなかったからですね(笑)。

―負けず嫌いなところもあるんですね(笑)。

ただ、たった1人、日本人として飛び込んだ場所とはいえ、やっぱりプロとプロ同士ですから、そういう競争相手であっても友達になるんです。メジャーリーグに行った大谷さんを見てもわかるように、実力があればちゃんと評価されますよね。

―他にアメリカで印象的だったことはありますか。

NIH(※)という、アメリカの生物医学の研究の総元締めのような機関があって、アメリカ全土の医者が自分の研究に使う費用の申請をしてくるんですが、外科/生体工学部門の審査員を一時僕が務めていたんです。日本人の僕がですよ!

―えー、すごいですね!

(NIH時代の写真を指差しながら)僕ここにいますけどね、一流の人しかいませんでした、僕以外は(笑)。審査員になったのが渡米して8年目くらい。これを日本に置き換えて考えてみると、海外から医者が来て8年在住して、文科省あるいは厚労省の研究費の審査する権限を果たして与えるでしょうか。考えちゃいましたね。アメリカには懐の深いところがあります。

 

―日本ではちょっと想像しづらいですね。
ご自身の成長に関してはアメリカでのご経験が大きかったんでしょうか。

そう思います。まあアメリカは悪いところもたくさんたくさんありますが、いいところもたくさんあるんですね。だから自分でいいところだけを選んで学べばいいことなんじゃないかと思いましたね。

 

※NIH…National Institutes of Health(アメリカ国立衛生研究所)の略。1887年に設立された、アメリカで最も古い医学研究機関。

 
 

印西市の医療のために、
大事な基礎を固める時期

―現在のお仕事に振り返ってお話を聞きたいのですが、印西総合病院の現状を教えてください。

印西市は東洋経済が発表している「住みよさランキング」で、6年連続でトップに選ばれているように、多くの人たちにとって住みやすいところなんですね。ただ、市内にはほかに日本医科大学千葉北総病院しか総合病院がありません。ですからまずは一つの目標として、総合病院の機能をしっかりと持つこと。さらにもう一つは、その医療レベルが世界のスタンダードに達するような高い基準のものをご提供できるようにしたいと考えています。これは5年、10年かかることだとは思います。

―では今まさに基礎を作っているところですね。

そうですね。また、印西市っていうのは56%の救急車が外の自治体に行ってしまっています。これは恥ずかしいことです。救急の患者さんは、本来私たちと日医大とで受け入れないといけないわけですから、その救急システムを作る必要がある。そのためには医者を集めなければいけないですし、医者を集めるためには、病院の経済的基盤を作らなければいけない。今まさにそこを構築しているんです。

―そのほかにどのようなことが重要でしょうか。

日本は今、誰も経験したことがない、少子高齢化社会を迎えようとしています。それに対応した新たな医療、環境の構築が必要です。私たちの病院も、そのように変化に順応するのみではなく、一歩先を進んだ病院になりたいと考えています。

 

ひとプロジェクト 原崎先生
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若者が、
夢を持って働ける環境を

―印西総合病院の働きやすさについてはどうお考えですか。

病院に限らずどんな組織でも、顧客が満足するのは当然なんですけども、もっと大切なのはスタッフ満足度が高いことなんですね。僕がいたクリーブランドクリニックは、スタッフ満足度が全米平均と比べてもとても高かったんです。そうした経営を見てきた経験も反映できればと思っています。日本に帰って16年が経ち、いくつかの病院を見てきましたが、印西総合病院は最も楽しく働くことができると感じています。これもスタッフ皆さまのおかげです。

―満足度を高めるために具体的にどのようなことに取り組まれていますか。

一番大切なのは人事考課です。人はやはり自分が認められている場所でしか本当は働けないんですね。「精一杯、燃え尽きるぐらいやってみろ」って言ったってね、評価されていなければできないことですから。そこでキチッと人を評価する、というのが一番大切だと思います。そして当然お給料はどなたにとっても大切なものです。これがしっかりお支払いできて、いい人に来ていただけるようにしたいと思っています。

―評価と対価がしっかりとしていることは、とても重要ですね。

あと大切なことは、人には「夢」がないといけません。やっぱり一人ひとりに夢を持って働いてもらいたいんです。僕が「人工心臓を作って、日本に持って帰って患者さんに使う」という夢を持ってアメリカに行き、それをある程度実現することができたのは、本当に幸せなことだったと思います。それと同じように、若い人たちの夢を実現できるようにして、できれば印西総合病院でずっと働いていてもらいたい。そして、ここで働くことを「嬉しい」「誇らしい」と言ってもらえるような病院にしたいんです。

―働く者としてはそれが何よりだと思います。

これは真剣に考えています。ですから、一人ひとりの職員の人生の半分を預かっている、という気持ちでいますし、その責任はすごく重たいです。来ていただく人たちに「ここで働けて良かった」と思ってもらえるような場所を作るのが、僕の役目だと思っています。

―やはり、ひいてはそれが患者さんのためとなるということでしょうか。

もちろんそうです。満足している人は仏頂面をしません。満足している人は人に対して優しくなり、親切になり、人のために尽くすことができます。

 
 

旅行で必ずする
「特別なお願い」とは

―お休みの日はどのようにリフレッシュされますか。

自分の健康維持のため、ジムによく行きますね。ほかにもトレッキング、音楽、読書が趣味です。

―旅行などは行かれますか。

外国で生活をし、夫婦2人で子を育て家庭を作ってきましたから、家族の絆をずっと大切にしています。そのために、家族旅行をできるだけするようにしていました。日本にいる間は、富士山が見たいですから、河口湖のそばの温泉に時々行きます。そのホテルのマネージャーと仲が良くて、子どもたちが日本に帰ってきたときもそこに連れて行くんです。僕はそのマネージャーにいつも特別なリクエストを出すんです。

―どんなことですか。

「今度行きますから、また富士山がちゃんと見えるようにしてください」とお願いするんです。そうすると、「わかりました、頼んでおきます」って言ってくれますね(笑)。

―天気の要望なんですね(笑)。

今のところ毎回見えています、はい(笑)。

 


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profile


印西総合病院 院長 
原崎 弘章(はらさき ひろあき)

【生年月日】1944年2月23日
【出身】満州国大連市
【専門】心臓外科
【所属学会】アメリカ医学会/アメリカ心臓病学会/日本医師会/日本慢性期医療学会
【趣味】山登り(国内、アメリカでも)、音楽鑑賞、読書
【好きな食べ物】日本食、特にお寿司

 

病院情報



https://inzai-hospital.jp

医療法人 平成博愛会 
印西総合病院

千葉県印西市牧の台1-1-1

整形外科・内科・小児科・循環器内科 ・神経内科・呼吸器内科・外科・脳神経外科・皮膚科・眼科・耳鼻咽喉科・泌尿器科・乳腺外科・婦人科・リハビリテーション科

安全で質の高い医療を継続して受けられる後方病院としての機能を充実させ、総合病院としての機能を果たすことを目標としています。さらに救急告示病院として24時間365日、患者さんの受け入れを行っています。