ひとプロジェクト

ひとプロジェクト【第36回・後編】平成横浜病院 事務長/日高 正明さん

    • 「最大多数の幸せ」を求める事務長の仕事
      より地域に選んでもらえる病院づくりを追求!

    • 平成横浜病院の事務長、日高さんのインタビュー後編です。今回は、事務長としての日高さんのお仕事をクローズアップしました。
      家業のケーキ屋を手伝っているうちに身についたという仕事のスタイルや、病院運営における判断基準、現在は「過渡期」だと考える平成横浜病院の今後についてなど、興味深いお話を伺っています。意外な趣味話も飛び出す後編、ぜひご覧ください!

  • グループならではの
    横のつながりを実感

    このグループに入職してからのことを教えてください。

    まずは第一医療事業部長の田村さん(※)に一緒について回るっていうことで、当時ちょうど足立区に平成扇病院が開設される時でしたから、最初はそこに行ってグループのことを学びながら、開設のお手伝いをしました。
    ※ひとプロジェクト 第一医療事業部 部長 田村 大輔さん

    ちょうど入職時期が開設のタイミングだったのですね。

    その後、この平成横浜病院で仕事をすることになったんです。当時はまだ前任の事務長もいたので、病院のことを教わりながら一緒に動く感じでしたね。ただ、体調を崩されてその事務長が急遽退職することになったので、後を受けて事務長になりました。

    当時はどんな状況だったのですか。

    その頃、総合健診センターのリニューアル、病床の増床、医療と介護の同時改定と大きな変革が控えていたんですが、事務長になった時は、その計画実行初期の段階でした。

    なかなかハードそうな時期にバトンを受けたのですね。

    もう必死でしたね。当時を思い出せないくらい(笑)。でも、職員みんなでがんばって、昨年の6月には総合健診センターはリニューアルオープンができました(※)。前職の単体病院の頃と違って、グループからの応援が得られるので、とてもありがたかったです。
    ※平成横浜病院 総合健診センターについてのくわしい情報はこちらをご覧ください。

    医療現場を一から見たいと考えて転職されて、実際このグループに来てどう感じましたか。

    特に良いと思ったのは、みんな勉強熱心だなっていうことですね。勉強したいというスタッフが多いし、グループもそれを後押しするところがいいなと。

    教育については各部門で体制がありますからね。

    職種を問わないグループ学会も開催してますし、グループだからこそ、みんなで知識共有ができるっていう強みを感じます。ある病院の部署のレベルが上がったら、ほかの病院でも同様に上げることができるわけですから。

    部門でノウハウを共有しているのは大きいですね。

    単体の病院でがんばってきた身としては、特にいいなと思った部分ですね。グループで誰かのレベルが上がれば、それが全体に波及していきますから。

    横のつながりがあるからこそと言いますか。

    僕自身、ここでわからないことがあっても、グループのほかの事務長やそれぞれの本部スタッフに直接相談できますからね。

    ケーキ屋のお手伝いから身についた
    目的思考の仕事スタイル

    事務長に就く前と後で、仕事はどう変わるものでしょうか。

    決定的な部分としては、「判断」と「決定」をしなければならないといったところでしょうか。ただ、事務長としての責務が増えるのは当然ですが、僕としては「自分が事務長だからこれをやらないと」と考えて仕事をしているわけではないですので。それよりも「これをやったら面白い」「これは病院のためになる」っていうことを考えています。

    そうやって仕事をしているうちに、後から役職がついてくると。

    働きを認めていただけるのは、ありがたいですよね。ただ、僕は変わり者なので、程度はあるでしょうが「役職がなければ何かができない」とは思えないんですよね。僕としては、あくまで役職は責務を果たすうえで、組織から与えられるひとつの武器だと思っています。

    事務長としての仕事の仕方は、前職の頃とは変わりましたか。

    うーん。良くも悪くもスタイルはあまり変わってないかも。自分のコアとなる部分や感覚は前からあって、職場が変わったとしても、そこで自分が変化していけばいいというか。

    そういったスタイルはいつから備わったのですか。

    実家がケーキ屋という家業をしていたことが大きいと思います。お店のことを手伝っているうちに「どうやったら効率良くなるんだろう」と小さい頃から考えるようになるんです。

    自然と仕事の効率を考えるようになっていたと。

    もうちょっと具体的に言うと、「どうやったら早くご飯食べられるかな」っていうことを考えていました。

    ご飯! どういうことですか。

    いつも、お店の仕事を終えてから、家族そろってご飯を食べていました。「なるべく早くみんなで食卓を囲みたいな」と思ったら、仕上げをする父親のために道具を先に出しておく、不必要な道具を片付けておく、手が空いているうちに別の仕事をしておく、とか、仕事が早く進むようにっていうことを、小学生ながら常に考えるようになるんです。

    かなり早い段階で身についたことだったのですね。

    「目指すもののために自分は何をすればいいか」っていう目的思考がいつの間にかできるようになっていましたね。僕にとっては目的にきちんとたどり着けることが大事なので、そのための方法についてはこだわりが無いんです。

    ゴールにたどり着くまでの過程は柔軟に選択していくわけですね。

    自分がいなくても回っていく病院に
    これからの課題は組織化

    事務長と一口に言っても、求められることも幅広そうですね。

    基本的には何でも屋だと思っています。その病院ごとで求められることや、立ち位置も違いますから。本当に事務、裏方として仕事をする人もいるだろうし、調整役に徹するっていう人もいれば、リーダーシップを発揮する人もいるでしょうし。

    ご自身ではどんなタイプだと思われますか。

    う〜ん、どうなんでしょう。結局全部やるかも(笑)。でも、少なくとも自分がいないと病院の仕事が進まないということがあっては良くないなと。

    誰が抜けてもちゃんと運営が滞らないような体制ですね。

    それが「組織化」ということなんだろうなと思います。この病院って、今までずっと駆け抜けてきたと思うんです。2013年に運営がこのグループに変わって、総合健診センターもリニューアルされて。僕自身も駆け抜けてきたし、病院全体もそう。以前は病床も95床でしたけど、徐々に増やしていって、この12月からは183床ですから。

    倍近くになったんですね!

    これで、病院として目指すべき金型がやっとできたと考えています。卵が先か鶏が先かという話なんですけど、なかなか外身と中身を同時に完成させるのは難しいですしね。これからはさらに医療サービスの質向上に向けて、本格的に取り組んでいければと思っています。

    自分の代わりとなるような事務長スタッフの育成も考えるのですか。

    あまりそういう風には考えていないかもしれないです。一緒に切磋琢磨できる仲間を増やしたいなというか。そういう仲間が何人もいたっていいですし、その環境からその仕事をやるのにふさわしい人が育てばいいですから。

    必ずしも自分である必要はない。

    この病院にとって良ければ、それでもいいと思っています。それを基準に考えていますね。

    求めるのは「最大多数の幸せ」

    病院にとって「良い」ということは、どんな基準で判断されていますか。

    「最大多数の幸せ」です。

    なるほど、それは患者さんもスタッフも、みんなが幸せになるっていうことですか。

    そうです、だからいろいろな視点を持って、広範囲を見る必要があります。ただ、全員ハッピーになれるのが間違いなく一番良いんですけど、基本的にそのプランってすごく難しいわけです。

    そういう時はどう判断されるのですか。

    ベストを求めて歩みが止まるなら、ベターでも行動するようにしています。もちろん「より良いものがほかにあるんじゃないか」っていうことは常に考えながらですね。

    ベストを求めながら、場合によってはベターも選択肢として取られて。

    事務長としては常に決断の連続なので、そうしたことが判断基準になります。もちろん、患者さんファーストではあるんですけど。さらに、スタッフのこと、経営のことなどを考慮しながら、病院としての価値が上がるのかを考えています。

    病院の価値とはどのように上がるものなのでしょうか。

    例えば、どこかを改装したいという話があったとして、必要があるならもちろんやった方がいいと思うんですが、改装することで患者さんへのサービスをどうよくできるかってことを行動レベルで現場のスタッフがしっかりイメージできていることが大事ですね。「自分たちがやりたいからやる」「普通はこうだ」ということではなくて、現場のスタッフから要望が挙がってきたときに、別の視点から見てどうだろうと一緒に考えています。病院の価値が上がる要素のひとつは、そうやって各セクションが自ら考え、改善することの積み重ねだと思っています。

    地域のみなさんに
    もっと選んでもらえる病院になるために

    今後の平成横浜病院の目標を教えてください。

    この病院は急性期病床の機能もあるし、回復期リハビリテーション病棟、地域包括ケア病棟もあって、昨年開院したグループの堺平成病院のような「地域密着多機能病院(※)」の実践がまずは使命だと思っています。
    ※地域密着多機能病院:地域に密着し、地域が必要とする医療を提供する病院。くわしくは堺平成病院のサイトをご覧ください。

    グループの命題とも言えるものですね。

    それと、神奈川県はグループの介護施設が多くあるので、そのセンター基幹病院っていう役割も持っていかないといけません。そのためには、介護分野への協力も大切です。施設への医療的フォローや、施設から病院へのバトンタッチもあると思いますし。

    県内のグループ施設にとって、中心的な役割を担う病院になっていくという。

    今も平成横浜病院は過渡期なんだと思います。もともとは社員の福利厚生のための企業立病院として始まった歴史がありますが、運営が平成医療福祉グループに変わったことで、より地域に開いた病院として、選んでいただけるようになっていかないといけません。

    病床が183床に増えるというのもその一環ですか。

    そうですね。これまでは拡大期だったというか、この病床数になったことで、ある程度自分たちのスタイルが固まりましたね。今までももちろん手を抜いていたわけではないんですが、これからが充実期に入っていくところだと考えています。

    先ほどもお話ありましたが、中身の充実を進めていくということですね。

    そのためには、外を見ていくことが必要です。この地域がどうなっていて、自分たちはどういった位置にあるのかということを理解しないといけません。

    自分たちの位置付けについてはどうお考えですか。

    少なくとも、特定の治療を受けるために、遠くから電車を乗り継いで来てもらう、という病院ではないと思います。それより、地域にお住まいの方にとっていかに使いやすい病院であるか、ということが大切です。

    わざわざ遠方から予約取って訪れるということではなく。

    だからそ、この地域に必要なことをやっていくと。リハビリテーションの分野に強く、急性期の機能を持った病院は意外と少ないと思いますし、そういった対応できる幅があるのが、この病院の強みだと考えています。

    実は無水カレーを作るくらいの
    凝り性タイプ

    休みの日はどうお過ごしですか。

    出かける時もありますし、寝てる時もありますし、料理する時もありますよ。

    料理についてはケーキ屋での経験も関係しているんですか。

    そうですね、作ることに抵抗は全然ないです。レシピサイトを見ながら作るのは、プラモデル作りと同じような感覚があると言うか(笑)。

    わかる気がします(笑)。どういうものを作られるんですか。

    作ったことないものを作るのが好きですね。鶏の水炊き鍋を、長い時間かけて、出汁からじっくりとって作ってみたり、トマトと玉ねぎで無水カレーを作ってみたり。

    けっこう手がかかるものを作られるんですね! 味はいかがでしたか。

    酸味は強めでしたけど、おいしかったですよ。好みがあるとは思うんですが。

    仕事以外でやりたいことはありますか。

    う〜ん、なんだろう…猫を飼いたい。

    どんな猫がいいですか。

    三毛猫ですね。雑種っぽいのがいいなあ。顔がまん丸ででかいやつですね。

    では最後に、好きな食べ物を教えてください!

    蕎麦ですね。ザル蕎麦。

    お気に入りのお店はありますか。

    えーと、ないです(笑)。

    ありがとうございました(笑)。

  • 前編を読む

    profile

    平成横浜病院 事務長 日高 正明(ひだか まさあき)

    【出身】群馬県前橋市
    【趣味】作ったことのない料理を作る(今は)
    【好きな食べ物】蕎麦(ザル)

    病院情報

    医療法人横浜 平成会 平成横浜病院

    神奈川県横浜市戸塚区戸塚町550番地

    内科・神経内科・呼吸器内科・消化器内科・循環器内科・外科・泌尿器科・皮膚科・整形外科・リウマチ科・リハビリテーション科・眼科・歯科・歯科口腔外科・麻酔科・脳神経外科

    地域に根ざした病院として、一般病棟、地域包括病棟を備え、回復期リハビリテーション病棟を新設しました。さらに救急告示病院として24時間365日、患者さんの受け入れを行っています。2018年6月には、総合健診センターがリニューアル。地域の健康を支えていけるよう努めています。