お知らせ ひとプロジェクト

ひとプロジェクト【第26回・後編】平成扇病院/薬剤部 課長 入間川 寿々可さん

    • ついに気づいた薬剤師の仕事の魅力
      グループの取り組みを広く知ってほしい!

    • 薬剤師 入間川さんの後編です。以前は薬剤師の仕事に興味を持てなかった入間川さん。印西総合病院で働くうち、いくつかのきっかけを経て、薬剤師の仕事の楽しさに開眼します。さらに、より薬剤部の取り組みを強化するために力を入れるリクルート活動について、仕事の魅力とともに語っていただきました。豪快なプライベート話も飛び出す後編、最後までご覧ください!

  • 「病院って楽しい!」
    そう思えたきっかけとは

    順を追って伺っていると、薬剤にあまり興味の無かった時代と比べてかなり熱心になられた印象を受けますが、何かきっかけがあったのですか。

    そのことについて、すごく話したかったんですよ!

    そうだったんですね(笑)。

    印西総合病院で働き始めて、グループの緑成会病院から真鍋先生という医師が移って来たんですが、その先生が、入院患者さんにたくさん処方されていた薬をどんどん減らしていて。最初は「この人、大丈夫かな?」って心配になったんですが、カルテを見ると、検査値がどんどんきれいになったんです。そこから「何で薬を減らしたんだろう」「何で増やしたんだろう」って考えるようになって、おかげで初めて「薬って面白い!」って思うようになったんですね。

    目に見えることで興味が湧いたんですね。

    それから、このインタビューにも出られた原崎先生(※)が院長になられたことも大きかったです。医師の方って、一般的に嫌なイメージもあったんですけど(笑)。原崎先生は患者さんにすごく丁寧なんですよ。私が患者さんだったら、こんな先生に診てもらいたい、って思えるような方で。
    ※ひとプロジェクト 印西総合病院/原崎 弘章先生

    物腰がとても柔らかいですよね。

    原崎先生は、よく薬剤部に電話をかけて「これはどうしたらいい?」って聞いてくださって。当時は知識がなかったので、とにかくエビデンス(医学的根拠)とかガイドラインをすごく調べるようになりました。原崎先生はアメリカにもいらしたので、日本だけでなくてアメリカのガイドラインも求められていて。でも私は英語ができないので、ネットで必死に翻訳しました(笑)。

    すごく勉強になりそうですね。

    だから、その2人の先生のおかげで、すごい薬剤師としてのスキルも短期間で上がったし、興味も湧きました。もちろん大前提として、スタッフや患者さんといろんな出会いがあってのことですが。「病院って楽しいな」って思えたこと、それがすごく大きかったですね。今日はそのお話をしたかったです(笑)。

    お聞きできて良かったです(笑)。

    病棟業務・ポリファーマシーの取り組みを
    もっと推進していくために

    今現在は、体制を強化するためにとのことで、東京都足立区の平成扇病院に移られましたが、薬剤部の環境はいかがですか。

    こちらはまだ薬剤師の数も少ないので、病棟業務まではまだしっかりと手が回ってはいません。まずは、患者さんの薬をしっかりと処方通りに作る、という基礎を固めているところです。

    開院から3年ですし、今はちゃんとした基盤を作っている段階でしょうか。

    今後はスタッフを増やして、もっと患者さんとか病棟に関わっていきたいと思っています。でも、これからのところはありますが、病院全体では、この規模ならではのアットホームさがあって、雰囲気はいいなと思いました。「ひとプロジェクト」に以前出られた岩原さん(※)も明るく盛り立ててくれて、本当にいろいろと助けられています。
    ※ひとプロジェクト 平成扇病院 看護部 副部長/岩原 奈緒子さん

    ちなみに、グループ全体では薬剤師の病棟業務はどのくらいやられているのでしょうか。

    徳島の博愛記念病院や、印西総合病院が主導して取り組んではいますが、やはりスタッフ数の問題もあって、全ての病院ではできていません。これからの課題ですし、もっと発信していきたいなと思っています。ポリファーマシー(※)についても同様で、今はまだグループ内で取り組みに差があるので、そこもがんばっていきたいです。
    ※薬物の相互作用を減らすため、6種類以上の服薬を「多剤内服」として減らす取り組み。詳しくは下記ページをご覧ください。
    平成医療福祉グループ 薬剤部の取り組み

    その点も、これからの取り組みなんですね。

    そこについても、スタッフの増員が急務ですね。ただ薬を減らせばいいということではなく、ちゃんと病状を見る必要があるので、調剤業務と並行して行うためには、もっとスタッフを増やしたいですね。

    もっと知ってほしい!
    慢性期医療の魅力

    スタッフを増やすための取り組みは何かされていますか。

    今はリクルートに力を入れています。いろいろな大学などに出向いて、働きかけているところです。中途の方ももちろんですが、新卒のスタッフも充実してくるといいですね。

    学生の方は、病院でのお仕事に興味を持っていただけるんでしょうか。

    今は調剤薬局の人気がありますが、病院もずっと根強く人気がありますね。

    このグループは、慢性期医療をメインとしていますけど…。

    (間髪入れず)そこなんですよ!

    どういうことでしょうか(笑)。

    まず、慢性期医療についてご存知ない方も当然いらっしゃいますので、急性期医療との違いを学生の方には説明しています。やはりそれぞれの良さがありますので。

    薬剤師にとって、慢性期医療の魅力とはどんなことなんでしょうか。

    それも今日お話したかったことなんですが、慢性期病院は入院期間が2カ月、3カ月と長いので、検査値を追っていきやすいわけです。ポリファーマシーについてもそうですが、取り組みに対しての結果が見えやすいのは醍醐味だと思っています。

    急性期病院はスパンが短いので、また違ってくるわけですよね。

    それと、慢性期病院の患者さんは、1つの病気だけでなくて、例えば糖尿病とか脳梗塞とか、いろいろな病気がバックグラウンドにあって入院されることが多いわけです。そこで、横断的に知識を持っているということで薬剤師が頼られる場面もけっこうあるんです。

    その分、幅広い知識も求められそうですね。

    ひとくちに糖尿病と言っても、糖尿病だけ知っていればいいわけではなく、ほかの疾患も勉強しておかないと、ポリファーマシー対策もできないですし、なぜこの薬を飲んでいるのか、というのも理解できませんから。

    勉強のしがいがありそうです。

    慢性期病院って、急性期病院と比べて「ゆったり働く」というイメージを持っている人もいるかもしれないんですけど、でも慢性期だからこそ、いろんな疾患や薬のことをわかっていないといけないんです。こう言うと、自分がすごくわかっているように聞こえそうですが(笑)。でもやりがいは大きいですよ。

    実際、学生の方の反応はいかがですか。

    リクルートを担当し始めて、去年は「慢性期医療に行きたい」と話す方はほとんどいなかったんですが、今年は学生さんから「慢性期でやってみたい」っていう話も聞けて、来年入っていただける方とも出会えましたので、やってよかったなと思いました。それと、今年度から学生の方のためにインターンシップ制度を始めました。今は山口平成病院、印西総合病院、平成横浜病院の3つなんですが、今後も力を入れていきたいですね。

    必要なのは知識だけじゃない
    患者さんへの想いを持った方をお待ちしています

    こう聞くと、急激にお仕事の楽しさに目覚められたのだなと感じます。

    こんなに面白いんだったら、もっと早くちゃんと勉強していれば良かった、って思いました(笑)。でも何も知らなかったからこそ、聞かれた時に素直に調べる、っていうことができたのかもしれないですね。下手に知っていたら、ああじゃないこうじゃないと言ってしまっていたかもしれません。

    新鮮な気持ちだったんですね。

    とにかく本当にいろんな経験をさせてもらいました。これからも、自分でできることであればなんでもやろうと思いますね。このインタビューもそうですし、薬剤部の活動を知ってもらえるチャンスですから。

    以前、NHKの番組にも出られましたものね。

    印西総合病院の薬剤部を取材していただいて(※)。準備もありましたし、1日がかりの撮影で大変でしたけど、反響も大きかったので、やって良かったですね。ポリファーマシー外来への問い合わせもたくさんいただけました。
    ※取材された内容は下記のページで記事としてご覧いただけます。
    NHK MIRAIMAGINE「ポリファーマシー 本当に必要な薬は?」

    グループ薬剤部として、どんな方を求めていますか。

    私みたいな人もいるので、なんとも…(笑)。でもやっぱり、知識は大事だけど、それだけじゃないのかなって思います。そこは後からいくらでもつけることができますから。まずは、自己利益でなく患者さんのことを一番に思って行動できる人であってほしいですね。そういう方を尊敬しますし、自分もそうなりたいです。

    子どもと猫と、ウイスキーとパソコンと…

    お休みの日はどう過ごされることが多いですか。

    小学生の息子が2人いて、どちらもサッカーをやっているので、その試合や練習を見に行くこともありますし、あとは家の猫と遊んで癒されています。

    猫を飼われているんですね!

    この記事、猫の写真が出ること多いですよね(笑)。

    よく載せさせてもらっています(笑)。せっかくなので見せてください。

    これですね(プリントした写真を見せてくれる)。以前出られた田村さん(※)のところと同じ、ブリティッシュショートヘアです。
    ※ひとプロジェクト 第一医療事業部長 田村大輔さん

    わー、2匹いるんですね! ちなみにお名前は。

    チップと、にゃん太です。女の子だけど、にゃん太です(笑)。あとこれが、うちにあるウイスキーの写真です(また写真を見せてくれる)。


    なんでその写真も持ち歩かれているんですか(笑)。

    これを飲むために仕事をがんばろうって(笑)。やっぱりいいウイスキーって、飲みやすいしおいしいんですよ! 悪酔いもしませんし。

    お酒はだいぶ飲まれるのですか。

    以前に比べたら全然ですよ、回数も減りました。その代わり、今は職場から家まで距離があるので、飲むときは宿を取って、とことん飲んでから泊まって帰ります(笑)。

    気合いが違いますね(笑)。お子さんから何か言われたりしますか。

    なるべく酔ったところは見せないようにしています。でも、私も子どもみたいなものなので、息子に注意されますよ。

    えっ!

    仕事帰りでお腹がすごく空いて、コンビニでお弁当を買って帰った時があったんですね。そしたら息子が「いいなあ、僕もお腹が減ってきた」って言うので「ダメ! あなたはもう食べたでしょ、これはママのだからあげないよ!」って言って食べ始めたら、「あのさあママ、普通お母さんなら、子どもに『ちょっとあげる』って言うよ」って言われてしまい(笑)。

    ずいぶん冷静ですね〜(笑)。でも仲が良さそうで微笑ましいです。最後に、仕事以外で目標はありますか。

    これは仕事の話なのかもしれないんですが、「アクセス(Access)」を極めたいです。

    アクセスとは何でしょうか。

    マイクロソフト社のデータベース管理ソフトです。よく使われるエクセルだと、データを2万件くらい入れると処理が遅くなっちゃうんですよ。でも病院の統一薬って、何十万という数になっちゃうので、これで管理すると、ほしいデータとか数字がすぐ出せて便利なんですよ! 「世の中にこんな便利なものがあるんだ」ってすごく感動しました。もっと極めたいって思ってます。

    大きい数字を扱うお仕事ならではですね。使いこなせたらとても便利そうです。

    本を買って勉強して、休みの日も研究していますよ。だからもし趣味を聞かれたら、今はアクセスって答えます(笑)。

  • 前編を読む

    profile

    入間川 寿々可(いりまがわ すずか)

    【出身】宮崎県宮崎市
    【職種】薬剤師
    【好きな食べ物】チョコレート(市販のメーカーのシンプルなもの)
    【尊敬する人】King Gnu(バンド。人と違うことをやっているのがすごい)

    病院情報

    医療法人社団 大和会 平成扇病院

    東京都足立区扇3-26-5

    内科・リハビリテーション科・精神科

    2016年4月に開院。精神科と内科を併せ持つ「こころとからだに寄り添う」病院。認知症ケア・ストレスケアを軸とした精神科病棟と、医療療養・回復期リハビリテーションという2つの内科病棟の4つの機能を持ち、地域のみなさんが安心して在宅で生活できる後方支援病院を目指します。