グループの取り組み ひとプロジェクト

ひとプロジェクト【第15回・後編】平成医療福祉グループ 看護部 部長/加藤 ひとみさん

ひとプロジェクト 加藤 ひとみさん
ひとプロジェクト 加藤 ひとみさん

「あなたで良かった」と言われる看護師になってほしい
看護部門の部長として、スタッフへの想い

後編では、グループの看護部長としての取り組みや、今後の看護部として目指すことについてお聞きしました。看護師としての理想像についてもお話ししています。忙しい日々で大切にしている、リフレッシュ方法も教えてもらいました。ぜひご覧ください!

グループの看護部門の部長として
まずは教育体制を整える

―現在はグループの看護部門という、看護部を統括する立場ですが、任命されたときはいかがでしたか。

「自分にできるのかな」って思ったのが半分、「いろいろ取り組める」って思ったのが半分でしたね。

―不安半分、期待半分だったんですね。

それまではしっかりとした教育体制がなかったのでどうにかしたいなと思っていたのと、ほかにもやりたいことがあったんです。特に教育については、新人も中途も、採用する以上は責任を持って育てていかないといけないと考えていました。

―どのように取り組んでいったんですか。

年間で集合研修を組むことにしました。ただ、その研修をするためには、私一人ではどうもできないので、初めてグループ内でエリアを分けました。

―看護部内を組織立てたんですね。

関東、関西、淡路、中四国という4エリアに分けて、それぞれにエリア長を立てて、研修もそれぞれで行えるようにしました。最初のマニュアルは私が作ったんですが、そこから年々みんなで見直して、研修の内容もブラッシュアップして。さらに、教育委員会、業務改善委員会と、部内でも部門を作っていきました。

―積極的に役割を分担していかれたと。

私一人じゃできないですからね。e-ラーニングの導入もはじめました。集合研修は、行った人しか受けられないっていう問題があったので、インターネットを通じてスタッフ全員に平等に研修を受けられる機会を設けました。

―グループの部長になってから、いろいろと変えていった部分が多そうですね。

だいぶ変わったと思います。研修についても、興味のある分野で希望するものがあれば、一部または全額補助が出るようになりましたし、スキルアップをサポートする体制ができました。

―成長したい人にとってはいい環境と言えますね。

そうですね。こういった取り組みも、助けてくれる人がいて、できていることだと思っています。みんながしっかりやってくれているので、仕事も任せていけますし。

―じゃあ今は少しずつ、仕事を手から放しているような感じですか。

ただ、仕事の分担はしてるんですけど、仕事量が減ってるという感じは全くなくって(笑)。

―えっ(笑)。

ひとつ任せたとしても、例えば今年だったら「在宅看護の部門を強化してみよう」とか、新しいことが出てくるんです。

―ひとつ任せると、またひとつ新しい取り組みができると。

だから業務量自体は変わらないですね。ただ、任せられることが増えてきたからこそ取り組めていると思ってますので、その点では充実していると思います。
 


 
 

台風被害時に発揮された
看護部のグループとしての強み

―このグループの看護部の特長はどんなところだと思いますか。

組織がきっちりできてきたことで、病院同士の協力体制が作れている点ですね。

―どういうときにそれを感じますか。

今年の夏にあった台風20号(2018年8月に発生)で、関西を中心に大変な被害が出ましたが、グループでも停電が起きた病院があったんですね。復旧までに時間を要したんですけど、そこでの必要な物品のやりとりとかも関西の病院同士でスムーズにやってくれました。どこに何が足りなくて、どこが何を持って行くのか、ぐちゃぐちゃにならないように、共有しながら一斉にやって。そういう横のつながりが、かなりできてきましたね。

―グループならではという感じですね。

そうですね。うちのグループに後から入った病院であっても、協力し合って動けています。

―後から入って、なかなかやり方に馴染めない、ということもなく。

反発もなく、みんな協力的です。全体でこういうことをやっていこう、といったことについても、一生懸命に取り組めていますね。

―今後、力を入れていきたいと思っていることはどんなことですか。

看護部としてこういう方向に持っていきたいって思っていたことに関しては、だいぶできてきていると感じています。これからのことだと、特に在宅看護に力を入れていきたいです。例えば世田谷記念病院には、在宅支援看護師がいるんですが、専任として取り組めている病院ばかりではないので、そういった後方支援をもっとやっていきたいですね。

―ほかには何かありますか。

チーム医療についても、もっと職種間の連携を強めていきたいです。病院によって連携はまだまちまちなので、職種の垣根を越えて、病棟の一員として患者さんのために動くっていう意識がさらに強くなればなって考えています。

―加藤さんの仕事のモチベーションはどんなところにありますか。

このグループの病院を、慢性期医療だけでなく、急性期医療の病院も含めた中で、トップクラスの病院にしていきたいなと思っています。そのなかでも、このグループって看護部が支えているよね、って言われるような部署にしたいです。その点はまだまだだと思うんで、そういう風になれたらいいですね。
 

 

「あなたで良かった」と思ってもらえる看護師が理想

―加藤さんの思う、理想の看護師像みたいなものはありますか。

患者さんに「あなたで良かったです」って思ってもらえる看護師がいいですね。

―そう思ったきっかけがあったんですか。

准看護師時代の実習で最後に受け持った患者さんなんですけど、大腸の検査をされていた方でした。けっこう大変な検査で、下剤を飲んだりして苦労されていたのでとても印象に残っていて。実習が終わるときにお手紙を書いたんです。「今日で実習は終わりです。ありがとうございました」って。それをお渡ししたときに、言葉が少し出づらい方でしたけど「担当してくれたのが、加藤さんで良かった」って、言ってくださったんです。

―それはとても印象深い出来事ですね。

それが自分の中にずっと残っていて。だから、大きく「看護師さん」として認識されるんじゃなくて、「あなたで良かった」と、対個人で思ってもらえる看護師がいいなと思っています。

―患者さんと向き合ったからこそいただけた言葉ですね。

例えば1年目であれば、いろいろ技術や知識をつけていっている途中だと思うのですが、そこにやっぱり心も伴っていかないと、立派な看護師にはなれないと思うので。

―やっぱり心が伴うのが大事なことなのですね。

もちろん、最低限の技術と知識は持っていないと患者さんに害を与えてしまうので、そこは前提として。

―もともと持っているものも大きいでしょうか。

いろんな患者さんと接するうちに成長していく部分も大きいと思います。私もそうでしたが、印象に残る方と出会うっていうのが、きっかけのひとつにはなると思います。
 
 

考えなしの行動はしない
看護師として求められることとは

―このグループで働くにあたって、どういった方が向いていると思いますか。

もちろん「絶対に見捨てない」という理念に賛同してほしいですし、それに向かって努力してくれる人であってほしいです。それと、考えて行動できる人を求めています。「マニュアルにあるから」とか「前の病院ではこうだったから」ということではなく、「この患者さんにとっては何がベストなのか」っていうことを一つひとつ考えられることが大事ですね。

―働いていると、ついついマニュアルや前例に考えがとらわれてしまいがちです。

やっぱりそう考えるのが一番楽なんだと思います。例えば、患者さんの抑制一つをとっても、「前の病院では抑制してたから」「この人は暴れる人だから」って、言ってしまえば、それまでになってしまいます。そういうことではなくて「この人は何でそういう行動をするんだろう」って考えることが重要です。

―それは加藤さんが常々言われることなんですか。

言ってますね。どう考えていいのか、わからないときには一緒に考えてきっかけを作ってみたりもします。

―まず疑問に思わない、っていうこともあるかもしれませんね。

スタッフも別にやりたくてやってるわけじゃないけど、仕方ないから、って思っちゃっているところが大きいですね。

―誰も幸せにならないですね。

やりたくて縛ってる人なんて誰もいないですからね。方法を一緒に考えたり、違う方法で誘導したりしてあげるといいのかなと。
 


 
 

忙しいなかのリフレッシュは
喫茶店でのひと休み

―お忙しそうですが、お休みはちゃんと取れていますか。

もちろん、イレギュラーなことさえなければ、ちゃんと休んでいますよ。

―休日はどう過ごされているんですか。

もともと家は徳島にあって、隔週でそっちにも帰ってます。もう子どもたちも社会人になっているので、家に帰っても誰もいないときもあるんですけど(笑)。東京にいる隔週のどちらかでは、美容室に行くことが多いですね。銀座で美容室に行って、とりあえずぶらぶらして、買い物することもあります。その合間に休憩するのが私の楽しみで。

―こだわりがあるんですね。

銀座だと昔ながらの喫茶店も多いじゃないですか。いわゆるカフェではなく、ああいうところに行くのが好きなんです。普段はスターバックスのようなカフェに行くこともありますが、銀座に行ったときだけは、そういうところを探して入ってます。

―好きな食べ物を教えてください!

好きなのは、パン。パンが好きなんですよ

―好きなお店とかありますか。

ポンパドウルの塩パンが最近好きで。デパートとかにも入っているお店で、たまに食べています。

―仕事以外で個人的な目標はありますか。

ん〜、全くないですね(笑)。

―(笑)。例えばどこか行きたい、とかありますか。

もし海外に行くなら、エジプトに行ってピラミッドが見たいですね。海外は仕事絡みで行くことが多かったんで、そうじゃない旅行で行きたいです。

―普段お酒を飲みに行ったりはしないんですか。

私はそんなにお酒を飲むのが好きっていうわけではないので、自分から飲みに行くっていうことはないですね。

―看護師のみなさんはお酒を飲む人が多いっていうイメージがありました。

それはきっと、前にこの記事に出ていた岩原さん(※)みたいな人をイメージしているんじゃないですか(笑)。
 

※ひとプロジェクト 第9回 岩原 奈緒子さん

―そうかもしれません(笑)。

もちろん、飲みに行こうってなったら行くし、2、3杯は飲みますけど。

―ちなみに「ひとプロジェクト」つながりでいくと、前回この記事に出られた池村さん(※)とは、一緒に働いていたんですよね。

池村さんは私が博愛記念病院で働いていたときからの付き合いなので、けっこう長いですね。仲良いっていう言い方が合っているかわからないですが、タイプが似ていると思っています。
 

※ひとプロジェクト 第14回 池村 健さん

―似たところがあるんですね!

性格診断みたいなのを見たら、やっぱり似てました。なんて言うか、普通なんですよ。でも、周りからしたら「違う」って言われるんですけど(笑)。
 
 



profile


平成医療福祉グループ 看護部
部長 加藤 ひとみ(かとう ひとみ)

【出身】香川県高松市
【資格】看護師
【好きな食べ物】ポンパドウルの塩パン
【最近食べて美味しかったもの】北海道で食べたジンギスカン
【尊敬する人物】グループの副代表(相談しやすい存在)

 

病院情報



http://setagayahp.jp

医療法人 平成博愛会 世田谷記念病院

東京都世田谷区野毛2丁目30-10

内科・整形外科・リハビリテーション科

急性期病院での治療を終えられた患者さんを迅速に受け入れ、入院早期からの積極的な治療とリハビリにより、できるだけ早く自宅や施設に退院していただくことを目標としたPost Acute Care(急性期後の治療)を専門的に行う病院です。

2019年の最初の「ひとプロジェクト」は1月11日(金)に公開です。
楽しみにお待ちください!